北韓が8日午前、短距離弾道ミサイルと見られるミサイル数発を発射しました。
韓国軍の合同参謀本部は、8日午前8時10分から9時20分にかけて、北韓が 東部・元山(ウォンサン)付近から韓半島東の海、東海(トンへ)に向けて短距離弾道ミサイルと見られるミサイル数発を発射したと明らかにしました。
北韓による弾道ミサイルの発射は、ことし3月10日以来、およそ2か月ぶりです。
ミサイルは最大800キロあまりを飛行し、一部は250キロあまりを飛行したあと、北韓がミサイルの標的として使用する無人島に落下したとみられます。
合同参謀本部は、北韓が超大型放射砲やロシアのミサイルをモデルにしたとされる「北韓版イスカンデル」など、数種類の短距離弾道ミサイルを発射したと説明しました。
北韓はことしに入ってから、主に射程の短い弾道ミサイルの発射実験を行っており、大陸間弾道ミサイルの発射は控えていますが、トランプ政権を刺激するのを避ける意図があるものとみられます。
北韓メディアは7日、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が元山に近い新浦(シンポ)の軍需工場を視察したと報じており、今回のミサイル発射にも立ち会った可能性があります。
韓国軍の関係者は、「最近、金委員長がロシアへの輸出用とされる砲弾工場を訪問したことや、短距離・近距離弾道ミサイルの発射実験を行っているのは、ロシアへの武器の輸出を意識した動きの可能性がある」と述べました。
韓国の国家安保室は、安保状況点検会議を開き、北韓のミサイル発射に関する情報を共有するとともに、対応策を協議しました。