南北の軍事境界線付近の海上で韓国人男性が北韓に射殺される事件について、国防部は30日、韓国軍が諜報で入手した情報には「射殺」や「射撃」という言葉はなかったとし、いくつかの情報を総合的に分析した結果、男性が射殺されたことを判断したもので、リアルタイムに傍受したものではないことを明らかにしました。
国防部はこの日、記者団に送った通知文で「銃撃や焼却した状況は、諜報活動を通じて入手した断片的ないくつかの情報を総合的に分析した結果であって、相当な時間をかけて再構成した内容だ」と説明しました。
そのうえで、「あたかも監視カメラを見るかのようにリアルタイムですべてを把握していたにもかかわらず、何の措置も取らなかったわけではない」と強調しました。
一方、大統領府青瓦台は、この事件と関連して一部のメディアが「青瓦台が国家情報院のチャンネルを通じて南北共同調査と軍の通信線の復旧を求める通知文を北韓に送った」と報じたことについて、事実ではないと否定しました。
そのうえで、青瓦台は、国家情報院のチャンネルだけではなく、他のチャンネルでもそうした通知文は送っていないと強調しました。
これを前に青瓦台は、先月27日に文在寅(ムン・ジェイン)大統領の主宰で開かれた緊急会議のあと、「南と北がそれぞれ把握した事件の経緯と事実関係に隔たりがあるため、早急に真相究明を行うための共同調査を要請する」とし、「疎通と協議、情報交換を行うための軍事通信線の復旧と再稼働を要請する」と発表しています。
ただ、北韓側は韓国のこうした提案に対する立場の表明は行っていません。