中国の習近平国家主席の韓国訪問について、韓中両国政府が来月初めの訪韓に向けて調整を進めていることがわかりました。
複数の外交筋が13日に明らかにしたところによりますと、韓国と中国の外交当局は、習近平国家主席の韓国訪問を来月初めに実現させることを目指して調整中だということです。
外交筋は、習近平国家主席の韓国訪問について、「しばらく議論が進展していなかったが、最近、中国が積極的な姿勢を示し、年内の韓国訪問に向けた調整が進んでいる。韓国との関係強化を図るためにも、習主席の早期の韓国訪問が重要と判断したようだ」としています。
バイデン次期アメリカ大統領が、中国に対する牽制を強める動きをみせているなか、バイデン政権が発足する前に韓中関係を強化して置く必要があると判断し、習主席が韓国訪問を急いでいるとの見方が出ています。
バイデン氏は、12日に行った文在寅(ムン・ジェイン)大統領との初めての電話会談で、「インド太平洋地域の安全保障と繁栄のための韓米間の協力」の重要性を強調し、中国をけん制するための外交戦略である「インド太平洋戦略」に言及して、韓国に対して中国けん制に加わるよう求めたものと受け止められています。
バイデン氏は、日本の菅首相との電話会談でも、尖閣諸島が日米安全保障条約の適用範囲だとの見解を示すなど、中国を意識した発言をしています。
韓国政府関係者は、「‘安全保障はアメリカ、経済は中国’という基本的な立場のもと、事案ごとに外交対応をしていく。バイデン政権が中国けん制を強めることは以前から予想されていたので、政府は対応策を準備中だ」と説明しています。