新型コロナウイルスの感染が、スーパーや地下鉄など、多くの人が利用する施設でどのように広がるのかを、AI=人工知能を使って予測できる技術が開発されました。
韓国原子力研究院が、AI企業と連携して開発したこの技術は、原子力発電所で起きる可能性がある原発事故をシミュレーションするソフトウェアを活用したもので、多くの人が利用する施設での人の移動経路を3次元モデルに表し、その密集度や、マスクの着用の有無などのデータを入力すると、AIが人々の移動経路を予測して、その施設におけるウイルスの感染拡大リスクを推計します。
ことし3月に大規模なクラスターが発生したソウル市・九老(クロ)区のコールセンターで感染が拡大した状況を、この技術を使ってシミュレーションしたところ、実際の感染率に近い数値が予測されたということです。
韓国原子力研究院は、「国家単位でウイルスの感染拡大の規模を予測するモデルは存在したが、多くの人が利用する施設の感染リスクを予測する研究は、これまでなかった」として、「大量のデータを確保し、より正確で高度化した技術に仕上げたい」と話しました。