外交部は9日、イランがことし1月にだ捕した韓国船籍のタンカーと船長が解放され、船はイランの港を出航したと発表しました。
外交部によりますと、船長を含む船員の健康状態は良好で、貨物など船舶の状態にも異常はないということです。
タンカーは、現地での行政手続きを終え、9日午前に出航したということです。
イランの革命防衛隊は1月、韓国でイランの原油代金数十億ドルが凍結されていることをめぐって両国が対立するなか、ホルムズ海峡付近を航行中の韓国船籍のタンカーをだ捕し、船に乗っていた韓国人5人を含む20人を拘束しました。
化学物質によって海域を汚染したことをだ捕の理由としてあげましたが、韓国政府が求めた汚染の証拠は提示せず、アメリカの制裁により韓国で凍結されている70億ドルの資金を返還するよう求めました。
韓国は、事件発生後の協議で、凍結資金の一部をイランの国際機構分担金の支払いに充てたり、スイスのイラン側口座に移したりすることでアメリカと合意しており、こうした努力がタンカーの解放につながったものとみられています。
またイラン核合意の立て直しに向けたアメリカのバイデン政権とイランとの間接協議が6日に始まったことも、解放に影響したものとみられます。