文在寅(ムン・ジェイン)大統領は11日、野党が任命に反対している長官候補3人について、承認手続きである人事聴聞報告書の送付を14日までに行うよう国会に要請しました。
国会が3人の長官候補に対する人事聴聞報告書を採択期限だった10日までに大統領府青瓦台に送付しなかったため、再送付を要請したことになります。
人事聴聞会法によりますと、国会が採択期限までに人事聴聞報告書を送付しなかった場合、大統領は10日以内に期限を定めて再送付要請を行い、この期限までに国会が報告書を送付しなかった場合、大統領がそのまま長官の任命を行なうことができます。
一部では、文大統領が10日以内という期限よりも短い4日以内の提出期限を提示したため、事実上、長官候補3人の任命を強行する意思を示したとの分析が出ていました。
しかし、野党が長官候補3人の任命に反対し、これが受け入れられない場合、国務総理候補者の金富謙(キム・ブギョム)氏の任命も拒否するとしている状況で、野党の要求を無視するのは難しいとみられます。
さらに、4月の再・補欠選挙で与党「共に民主党」が惨敗してから「党を一新させる」として与党の代表に選ばれた宋永吉(ソン・ヨンギル)氏体制が発足してから間もない状況のなかで、与党の新人議員らから、党指導部に対し一部の長官候補の任命撤回を求める動きが出るなど、長官候補3人の任命をめぐっては、与党内部でも批判の声が徐々に高まっています。
そのため、文大統領も長官任命を強行するのは難しくなったとの見方が出ています。
文大統領が長官候補3人の任命を強行した場合、現政権に入って野党の同意なしに任命された長官人事はあわせて32人になります。