韓国の国債の格付けについて、アメリカの大手格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは、これまでと同じ3番目に高い「Aa2」に据え置きました。
韓国の格付けは、アジアではシンガポールに次いで2番目に高い結果となりました。香港と台湾は韓国より一段階低いAa3で、日本と中国は2段階低いA1でした。
アメリカの信用格付け会社スタンダード・アンド・プアーズも先月28日、韓国の国債格付けをこれまでどおり３番目に高い「AA」に据え置き、見通しも「安定的」としました。
ムーディーズは、新型コロナの衝撃から弾力的な回復を果たした韓国経済の強いファンダメンタルズ（基礎的条件）を反映した結果だとしています。
ムーディーズは先月、「韓国の実質GDP成長率がマイナス1.0%を記録し、同等水準の格付け等級を記録したほかの先進国よりも優秀だった」とし、「ことしは韓国の輸出品目に対する高い需要と、政府の拡張的な財政政策に支えられ、3.5%の成長率が期待される」と予想しました。
その一方で、ムーディーズは、国債の増加と高齢化、そして対北韓リスクが韓国が警戒すべき要因になると指摘しました。
韓国政府が今後も、拡張的な財政政策を維持すると予想されているなか、国債発行額が過去最高水準を記録しているため、長期間維持してきた韓国の財政秩序が問われる可能性があると警告しました。
ただ、税収が徐々に回復し、低金利の環境で負債費用が安定的な水準を維持しているだけに、韓国の負債余力は引き続き強く維持されるとの見通しを示しました。