韓国政府がアメリカの大規模な金融緩和政策について、インフレの懸念が高まっているとして、バイデン政権と為替分野で協議を続けていく方針を示しました。
政府は17日、対外経済関係閣僚会議で、アメリカの経済政策について、大規模な金融緩和政策によって景気のテコ入れ効果はあったが、最近、インフレへの懸念が高まっているという見方を示しました。
バイデン政権の金融政策の柱となったのは、財政支出の拡大と増税、中核産業の育成だったとし、「財政支出の拡大は、民間消費の増加につながり、世界経済の回復、なかでも、韓国の輸出の増加にもつながるが、アメリカの法人税、キャピタルゲイン税などの増税は、企業活動を冷え込ませ、グローバル成長を抑える要因になり得る」と懸念を示しました。
また、不確実性の要因としては、流動性の増加による世界的資産価値の上昇、供給不足によるインフレの本格化、金利上昇への懸念などを挙げました。
なかでも、アメリカでインフレが発生し、金利が上昇すると、韓国の政策金利も引き上げられる可能性が高く、負債を抱える家計に負担となるため、注意深くモニタリングする必要があるという考えを示しました。
政府は、国内外の金融、為替市場の動向をモニタリングしながら、急激な変動性が広がる場合は、市場を安定させる措置を取ると強調しました。
企画財政部も17日、バイデン政権の経済政策について、税金の引き上げやインフレが懸念されると評価し、利上げに踏み切る場合、変動性も増す可能性があるとして警戒を示しました。
これについて政府系のシンクタンク、KDI=韓国開発研究院などは、政府はこれまでも、アメリカの経済政策について分析してきたが、今回のように、企画財政部が前面に出て、バイデン政権の経済政策を公式に評価したのは初めてだと話しています。