アメリカ国務省は、北韓の核問題の解決に向け、外交的アプローチを駆使する方針に変化はないと明らかにしました。
国務省の報道官は、北韓の金正恩国務委員長の妹、金与正(キム・ヨジョン)党副部長が発表した談話の内容を把握しているとしたうえで、今後北韓から前向きな反応が示されることを期待していると話しました。
米朝間で直接対話する可能性については、もう少し状況を見守る必要があるとしましたが、依然として北韓がアメリカのアプローチに前向きな反応を見せるという期待を示していて、こうした発言が米朝間の直接対話につながるか注目されます。
また、アメリカの対北韓政策の目標は、敵対ではなく解決にあるとし、韓半島の非核化に向けた実用的なアプローチだと強調しました。
これを前に、北韓の金委員長が労働党中央委員会総会で、「対話にも対決にも準備する」との立場を示しましたことについて、ホワイトハウスのサリバン国家安全保障担当大統領補佐官は「興味深いシグナルだ」と評価しました。
こうした反応を受け、北韓の金与正党副部長は談話を通じて、アメリカが誤った期待を抱いているとし、大きい失望に陥るだろうとけん制したうえで、『夢より夢占い』ということわざを用いて、アメリカが自分の都合のいいように夢占いしているとして批判しました。
一方、バイデン大統領がアメリカ財務省のテロ・金融犯罪部門の次官候補に指名したブライアン・ネルソン氏は、上院で行われた人事公聴会で、北韓制裁に違反している機関と企業に対して追加の制裁を科す、いわゆる「セカンダリーボイコット」が強力な手段になるとし、今後関係機関と協議を行う意向を示しました。
これは、追加制裁が上手く機能していない背景について問われたのに対し答えたもので、対話の進行状況に合わせて米朝関係に変化をもたらす新たな要素になるとの見方が出ています。