文在寅(ムン・ジェイン)大統領の最側近といわれ、2017年の大統領選挙をめぐる世論操作事件では、最高裁にあたる大法院で今月21日、懲役2年の実刑判決を言い渡された金慶洙(キム・ギョンス)慶尚南道知事が26日、刑務所に再び収監されました。
金被告は、2017年の大統領選で「共に民主党」候補を当選させる目的で、コンピュータ・プログラムを用いてネット上に書き込みをするなど不正に世論操作した業務妨害罪で、2018年に特別検察官によって起訴され、1審と2審に続いて、大法院でも懲役2年の実刑判決を言い渡され、知事職をはく奪されたほか、2028年まで被選挙権もはく奪されました。
金被告は、1審判決を言い渡されたあと、法廷で拘束されましたが、77日後、保釈されていました。
金被告は今回再び拘束される前に「真実が明らかにならなかったとしても、真実が変わることはない」と話しました。
金被告は、自他ともに認める文大統領の腹心とされます。盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時代に演説企画秘書官として当時の民情首席秘書官だった文大統領と大統領府青瓦台でともに勤務し、2012年の大統領選では随行チーム長、2017年の大統領選では報道官を務めました。
一方、来年の大統領選挙の野党側の有力候補とされる尹錫悦(ユン・ソンニョル)前検察総長がこの事件について「大規模な世論操作、選挙工作の実体が露わになった」と批判するなど、野党側は、攻勢を強めていて、来年の大統領選挙にどのような影響を与えるかに関心が集まっています。
★2021年7月29日修正