北韓は、カタールで開催されているサッカー・ワールドカップの試合の一部をテレビで放送していますが、韓国、日本、アメリカの試合は放送していません。 
 
FIFA＝国際サッカー連盟は、韓国の地上波放送局３社から韓半島での放映権を譲り受け、北韓の住民が視聴できるようにしていて、北韓は22日以降、録画した試合を1時間程度に編集して毎日放送しています。
 
しかし、朝鮮中央テレビの25日の放送番組表に、前日の24日に行われた韓国対ウルグアイの試合は入っていません。北韓は、韓国時間の22日のアメリカ対ウェールズ、23日のドイツ対日本の試合も放送しませんでした。
 
北韓は2014年のブラジル大会と2018年のロシア大会のときも、韓日米3か国の試合は放送していません。
 
一方で、韓日が共同開催した2002年大会と、2010年の南アフリカ大会は、南北間の緊張が一時的に高まった期間はあったものの、基本的には南北関係が良好な時期で、韓日米の試合を放送しています。2006年のドイツ大会では韓国対トルコの試合を放送し、当時の韓国代表チームのパク・チソン選手の活躍を称えていました。
 
北韓大学院大学の李宇栄（イ・ウヨン）教授は、「南北関係が良かったときは、韓国が北韓に中継権を直接提供した。韓国から直接中継権を確保した大会は、韓国の試合を放送せざるを得なかっただろう」と北韓側の事情を分析しています。