ソウルの地下鉄を運営するソウル交通公社の労働組合は、先月30日にストライキを開始しましたが、労使交渉が1日で妥結し、今月1日から地下鉄1∼8号線は通常運行されています。
労働組合は、2026年までにおよそ1500人を削減する計画の撤回や、年内の人員の補充を求め、30日の午前6時半からストライキに入っていました。
労使は、スト初日の午後7時に始まった5回目の交渉で、最大の争点だった人員削減をめぐる意見の隔たりを狭め、1日午前0時ごろ、最終的に合意に至りました。
公社側は、財政難を理由とした強制的な構造調整を行わないことに合意し、安全にかかわる人員の補充も受け入れることにしました。
賃金については、去年の人件費の総額に対して1.4%引き上げることで合意しました。
去年は財政的に厳しいとして賃金は据え置かれていました。
これにより、ソウルの地下鉄は1日の始発電車から正常に運行されることになり、2016年以降6年ぶりに行われたストライキは1日で終了しました。
ただ、韓国鉄道公社(KORAIL)と共同で運営する1号線、3号線、4号線は、全国鉄道労組の「順法闘争」の影響で、運行に遅れが出る可能性があります。
一方、トラック運転手のストライキは、開始から1週間が過ぎたいまも続いています。
国土交通部とトラック運転手の労働組合は30日午後、政府の世宗(セジョン)庁舎で2回目の交渉に臨みましたが、開始から40分で物別れに終わりました。
国土交通部は前日29日、政府の業務開始命令書をセメント運送車両の運転手445人宛てに送りましたが、全員、命令に従わずストライキを続けるとしています。
ストが長引けば、セメントの出荷量が平常時の10%未満に下がり、全国の建設現場ではコンクリート打設作業が止まるなど、産業界に大きな被害を与えることになります。