北韓におよそ180億ウォン相当の軽油を違法に供給した疑いで、ブローカーと製油会社の職員が、海洋警察に逮捕されました。
韓半島の西海岸を管轄する西海(ソヘ)海洋警察庁は30日、南北交流協力に関する法律に違反した疑いで、ブローカーA氏の身柄を拘束し、国内の製油会社と職員2人に対して在宅捜査を行っていると明らかにしました。
A氏などは、2021年10月から去年1月まで35回にわたって、合計1万8000トンの軽油を北韓に供給した疑いが持たれています。
容疑者らは、軽油の受け渡しを南シナ海で行い、この際、ロシアと中国のタンカーが利用されたということです。
今回の手口は、全羅北道(チョンラブクト)の群山(クンサン)港で、国内の製油会社所属のロシア船籍のタンカーに軽油を積み、南シナ海で中国のタンカーに移したあと、さらに北韓の船舶に移すというもので、こうした北韓への軽油の供給で中国の船舶が利用されたのは、これが初めてです。
この製油会社は、ロシアなどから輸入した軽油を国内で保管し、海外向けに販売しています。
海洋警察の捜査によりますと、中国船舶の関係者が北韓から軽油の代金を受け取り、違法に両替をして、ブローカーの口座に送金していたということです。
海洋警察は、国内の製油会社のタンカーが犯罪に使われたことを受けて、ほかの製油会社に対しても、同様の不正輸出を行っていないか、捜査しているということです。