世界のEV=電気自動車向けバッテリー市場で、去年、韓国の大手3社のシェアが全体の30%を大きく下回ったのに対して、中国メーカーは中国国内のEV市場の拡大に支えられ、シェア60%を超えたことがわかりました。
韓国のエネルギー専門の調査会社、SNEリサーチによりますと、去年、世界でのEVのバッテリーの全体の出荷量は、おととしに比べて71.8%増えたということです。
韓国のバッテリー大手3社は、成長は続けたものの、シェアはおととしの30.2%から6.5ポイント下落し、去年は23.7%でした。
内訳を見ますと、世界2位のLGエネルギーソリューションのバッテリーの出荷量は18.5%増えましたが、シェアは19.7%から13.6%に6.1ポイント下がりました。
世界5位のSKオンの出荷量は61.1%増えたものの、シェアは、0.3ポイント下がって5.4%になり、6位のサムスンSDIは出荷量が68.5%増えましたが、シェアは0.1ポイント下がって4.7%となりました。
これに対して、中国勢はほとんどが3桁の成長率となりました。
1位のCATLは、バッテリーの出荷量が2倍近く増え、シェアも4ポイント上昇して37.0%でした。
3位のBYDは、出荷量が2.67倍増え、シェアは 4.9ポイント上昇して13.6%と、2位のLGソリューションとほぼ同じ水準になりました。
7位から10位までの中国勢も、いずれもバッテリー出荷量が2、3倍に増え、韓国勢を追い上げています。
10位以内に入っている中国メーカー6社のシェアの合計は、おととしの48.2%から大幅に増え、去年は60.4%となりました。
SNEリサーチは、「アメリカのインフレ抑制法が施行されたなか、中国のバッテリーメーカーは内需市場から世界に向けて飛躍し始めた。今後、韓国メーカーとの競合はさらに激しくなるだろう」と分析しています。