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文化

大江健三郎さんの死去 韓国で追悼の声広がる

Write: 2023-03-14 14:52:06Update: 2023-03-14 17:49:11

大江健三郎さんの死去 韓国で追悼の声広がる

Photo : YONHAP News

作家でノーベル文学賞受賞者の大江健三郎さんが今月3日に亡くなったことが伝えられ、韓国でも追悼の声が広がっています。 
 
「教保文庫」や「アラジン」など、韓国の書店はそれぞれのウェブサイトに追悼ページを設け、大江さんの歩みや韓国で出版された「万延元年のフットボール」や「個人的な体験」などの代表作を紹介しています。
 
教保文庫は追悼ページで、「大江さんは、戦後不安定だった日本社会の状況や政治、社会的問題に対する批判的な意識を作品に盛り込んだ」とし、「ソルジェニーツィンとキム・ジハの釈放運動にも積極的に参加し、有識者の姿を見せてくれた」と悼みました。
 
アラディンの追悼ページには、「偉大な作家、巨大な良心」、「たくさんの借りができた」、「偏った歴史認識ではなく事実を伝え、人を思いやる本を書いてくれてありがとう」、「勇気を出して、真実を追及する良心ある有識者としての人生を歩まれた方、尊敬する」など、多くのコメントが読者から寄せられました。
 
また、大江さんの短編集を出版した韓国の現代文学は、「時代を生きる作家の倫理的姿勢について、絶え間なく自問し、個人の経験をもとに人類の救いと共生を力説した世界的作家である大江先生のご冥福をお祈りします」と追悼しました。
 
東京大学在学中の1957年に発表した「奇妙な仕事」が東大の第2回五月祭賞を受賞して文壇の注目を浴びた大江さんは、人間の実存的問題や平和と共存を取り上げた作家で、日本社会と国際問題を鋭く指摘した実践的有識者でした。
 
1994年には川端康成に次ぎ日本人2人目となるノーベル文学賞を受賞し、同年、天皇からの「文化勲章」の授与も打診されましたが、天皇制と軍国主義を批判してきた大江さんは、「民主主義に勝る権威と価値観を認めない」として受賞を拒否しました。
 
核と戦争に反対した大江さんは、2004年には戦争と武力行使を永久に放棄する内容を盛り込んだ日本の平和憲法9条の改正に反対して「九条の会」にも参加しました。
 
韓国と日本の歴史問題についても、2015年に韓国を訪問した際に、「日本は韓国に大きな罪を犯したが、日本がこれに対して十分に謝罪したとは思わない」と批判しました。

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