外交部は2日、先端技術を盗み取ったとして、北韓のハッカー集団「キムスキー」を独自制裁の対象に指定しました。

キムスキーは、これまでに韓国の原発運営会社「韓国水力原子力」や、韓国航空宇宙産業（KAI）をハッキングしたほか、韓国の兵器や人工衛星、宇宙関連の先端技術を盗んだハッカー集団として知られています。

北韓は、先月31日に軍事偵察衛星を搭載したと主張する「千里馬（チョルリマ）1」の打ち上げに失敗したばかりで、韓国政府は、北韓が衛星を打ち上げた場合は「応分の代価」を払わせると警告していました。

キムスキーは、朝鮮人民軍偵察総局の傘下組織として、およそ10年間、サイバー攻撃を続けていて、政府や政界、学界、マスコミ関係者を対象に、実在の記者や専門家を装って偽のメールを送信し、外交政策などの情報を盗み取っているとされています。

今回の制裁は、去年5月の尹錫悦（ユン・ソンニョル）政権発足後、8回目の対北韓独自制裁となります。

政府は、去年10月からこれまでに45の機関と個人43人を制裁対象に指定しています。

外交部はまた、アメリカ国務省やFBI＝連邦捜査局などと共に、「キムスキー」が各国の研究機関や報道機関に対してサイバー攻撃を行っているとして、注意を呼びかける共同勧告を出しました。

この勧告では、「キムスキー」が成り済ましの手法などを使って、外交に関する情報や非公開の文書、通信記録を収集していると指摘しています。


2023年11月28日修正