韓国のことしの物価上昇率は、ここ24年で最高となる見通しです。
韓国銀行が20日、まとめたところによりますと、ことし11月までの消費者物価の上昇率は平均5.1%を記録し、1998年以降、最も高くなりました。
韓国銀行によりますと、原油価格の下落や為替レートが安定したことにより、輸入物価の上昇幅は縮小したものの、加工食品や外食物価の上昇が続いていることや光熱費などの公共料金の引き上げにより、物価の上昇に歯止めがかからずにいるということです。
このため韓国銀行は、当分の間は5%前後の物価上昇が続き、来年の下半期には、原油価格が下落し国内外の景気が落ち込む影響で、物価の上昇率が落ち着くだろうと予測しています。
ただ、物価に影響を与える要因は複雑化していて、中国経済の回復、ロシア産原油の輸入制限、産油国の大規模な減産などが原油価格の下落にブレーキをかける可能性もあり、あくまで推測にすぎないとしています。
また、一般的には景気が落ち込むと消費が減り物価が安定しますが、サービスの価格は一度上昇すると下がりにくく、光熱費の引き上げ幅などによっては、全体の物価がそれほど下がらない可能性があるということです。
このため韓国銀行は、物価上昇率が目標値の2%を上回る高い水準で推移するという前提で、物価を重視した通貨政策の運営を続ける必要があるとして、金利の上昇による不動産価格の調整や、各分野への影響などについても綿密にチェックしていくと明らかにしました。