徴用問題をめぐり、日本企業に課せられた賠償金の支払いを第三者が肩代わりする韓国政府の解決策について、存命の被害者3人が、第三者による支払いを拒否する考えを表明しました。
存命の原告3人の代理人は13日、日本企業に代わり賠償を肩代わりする予定の政府傘下の財団「日帝強制動員被害者支援財団」を訪問し、こうした内容が盛り込まれた文書を提出しました。
文書は、今後予想される法廷での争いに備え、証拠を残すために提出されたもので、韓国と日本の間での法廷争いが、被害者と政府の間の争いに移行する様相となっています。
反対の意志を示したのは、日本製鉄による徴用の被害者、李春植(イ・チュンシク)さんのほか、三菱重工業の徴用被害者、梁錦徳(ヤン・グムドク)さんと金性珠(キム・ソンジュ)さんです。
これに先立ち、朴振(パク・チン)外交部長官は6日、2018年に韓国の最高裁で確定した損害賠償訴訟3件の原告に対する判決金と遅延利息の支払いを、日帝強制動員被害者支援財団が行うと発表しました。
財源については、1965年に韓日請求権協定が結ばれた当時、日本からの経済協力資金が投入された鉄鋼大手のポスコなど国内企業16社からの寄付でまかなうということです。
被害者が受け取りを拒否した場合、裁判所への供託を通して、法的に支払いを完了させる方針を示しています。
政府の解決策に反対する被害者らは、供託によって支払いを完了させる法的資格が第三者である政府にあるのかについて、裁判所の判断を仰ぐ考えです。
弁護団は、内容証明で、「日本政府の韓半島に対する違法な植民地支配と侵略戦争の遂行と直結した日本企業の反人道的な違法行為を前提とする徴用被害者の日本企業に対する慰謝料の請求権を行使するものだ」と強調しました。
民法の第469条第1項では、「債務の弁済は、第三者もすることができる」と定めているものの、但し書きで、「債務の性質又は当事者の意思表示により第三者の弁済を許さないときは、この限りでない」としています。
弁護団は、これを根拠に、原告である被害者が望んでいない以上、第三者弁済はできないはずだと説明しました。