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北韓が極超音速ミサイル発射

今週のキーワード2022-01-08

ⓒYONHAP News

韓国軍の合同参謀本部は5日、 北韓が内陸部の慈江道から東の海、東海に向けて弾道ミサイルと推定される飛翔体を発射したと発表しました。

北韓の国営朝鮮中央通信は翌日、5日朝に極超音速ミサイルの発射実験を行ったと報じ、飛翔体が極超音速ミサイルだったことを明らかにしました。

北韓は昨年9月に極超音速ミサイル「火星8」の最初の発射実験を行っていて、極超音速ミサイルの発射実験は今回が2度目です。

朝鮮中央通信は、ミサイルが700キロ先に設定された標的に誤差なく命中したと主張しました。

また、弾頭部は滑空しながら目標の方角に向けて、120キロを水平状態を保ったまま左右に変則飛行したとしたうえで、ミサイルの制御性や安定性を再確認するとともに、厳寒期の条件下で燃料アンプル化系統の信頼性も検証されたとしました。

燃料アンプル化は、事前にカプセルに詰めた液体燃料を使うことを意味し、いつでも即座に発射することが可能になります。

今回の発射実験は、北韓の極超音速ミサイル技術が大きく進んでいることを示すものと受け止められています。

韓国の専門家は、ミサイルが左右に水平移動しながら飛行したことで、迎撃がさらに難しくなった可能性があると指摘し、北韓が新たな極超音速ミサイルを開発している可能性もあるとの見方を示しました。

極超音速ミサイルは音速の5倍以上の速度で飛行し、そのうえに左右に水平移動するなど、変則的に飛行することから地上から迎撃するのは難しいとされています。

韓国軍はアメリカ軍と協力して今回のミサイルについて詳細な分析を進めていますが、実際に北韓がこうしたミサイルの技術を確立しているとしたら、韓国やアメリカ、日本への脅威はさらに高まります。

北韓は昨年9月に極超音速ミサイル「火星8」の発射実験を行いましたが、飛行速度は音速の3倍程度でした。

今回は音速の5倍以上で飛行したとみられ、実際に関連技術が大きく進化しているもようです。

韓国政府はミサイル発射直後に国家安全保障会議常任委員会の緊急会議を開き、緊要な時期に韓半島情勢の安定を脅かすことにつながるとして懸念を示し、北韓に対して、平和を定着させるための努力に真摯に応じるよう促しました。

アメリカ国務省は、国連安全保障理事会の決議違反であり、隣接国や国際社会に対する脅威だとして批判しましたが、外交による問題解決の方針は維持するとして、北韓に対話を促しました。

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