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北韓が相次いでミサイルを発射

今週のキーワード2022-03-19

ⓒYONHAP News

北韓は今月3日に東の海、東海に向けて弾道ミサイルを発射、16日にはICBM=大陸間弾道ミサイルと推定される飛翔体を発射しました。

北韓は相次いでミサイルを発射していて、その背景に関心が寄せられています。

韓国軍によると、北韓が16日に発射した飛翔体は高度20キロ以下で爆発し、発射に失敗したとみられています。

専門家は、上昇の初期段階で爆発したことに注目、エンジン系統に問題があったのではないかと指摘しています。

上昇の初期段階で爆発したことから飛翔体の詳細を把握することはできていませんが、韓国軍はICBM=大陸間弾道ミサイルに関連した発射だった可能性があるとしています。

韓国軍がICBMに関連した発射だったと判断しているのは、発射した場所や北韓の最近の動きを総合して判断したものです。

北韓は16日午前9時30分に平壤の順安飛行場から飛翔体を発射しました。

先月27日と今月5日には順安飛行場一帯で新型のICBM「火星17」のロケットエンジン性能試験を行っています。

北韓は2016∼2017年にかけて複数の中距離弾道ミサイルを発射、空中爆発したことがありますが、今回の空中爆発はそれ以来です。

北韓による弾道ミサイル発射は国連安全保障理事会の決議に反することです。

また、北韓は2018年4月に核実験と弾道ミサイル発射を猶予すると宣言していて、自らその宣言を破ったことになります。

北韓はこれまでいろいろな形で挑発を続けてきましたが、自らの宣言を破棄することはしませんでした。

2020年10月10日の労働党創建記念日の軍事パレードで多弾頭大陸間弾道ミサイル「火星17」を公開しましたが、試験発射はしていませんでした。

しかし、北韓は先月27日と今月5日に弾道ミサイルを発射、これらはICBMに関連した発射であることが把握され、北韓は自らの宣言を事実上破棄ました。

韓国では政権交代を控えていますし、一方ではロシアのウクライナ侵攻で世界の目はウクライナに向かっています。

ロシアと米欧の対立で国連安全保障理事会はその機能を果たせずにいます。

北韓はこうした動きを核やミサイル開発を加速させる絶好の機会と判断したとみられます。

ICBMの試験発射を実施することで金正恩委員長の業績をアピールし、内部の結束を図る狙いもあるでしょう。

4月15日は故金日成主席の誕生を祝う太陽節で、ことしは110周年になることから、北韓がそれ以前に急いで追加発射に動き出す可能性が高いとみられます。

こうした理由から、北韓が偵察衛星の発射と称して長距離弾道ミサイルを発射したり、新型のICBMを完成させるための試験発射を行う可能性は十分あります。

韓米両軍は追加の発射に備えて警戒と監視を強めています。

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