北韓が31日朝、韓半島南方に向けて人工衛星と称する発射体を打ち上げたことについて、アメリカが国連安保理決議に反するものだと非難したことを受けて、金正恩（キム・ジョンウン）国務委員長の妹、金与正（キム・ヨジョン）党第１副部長は1日、談話を発表し「北韓の自衛権だ」と反発しました。

朝鮮中央通信が1日、報じたところによりますと、金副部長は『誰一人として、衛星の打ち上げに関するわれわれの主権的権利を否定することはできない』と題した談話を発表し、そのなかで「朝鮮民主主義人民共和国の自衛権に属する軍事偵察衛星の打ち上げをめぐって、アメリカが体質的に持つ北韓に対する敵対的感情を露わにしている」と非難しました。

また、「われわれの衛星の打ち上げが非難されなければならないなら、アメリカをはじめ、すでに数千基の衛星を打ち上げている国々もすべて非難されるべきだ。これこそ自家撞着にほかならない」と主張しました。

さらに、「いまこの瞬間もアメリカは韓半島の上空を数々の偵察衛星や高高度無人偵察機などで埋め尽くし、目を凝らしてわれわれの一挙手一投足を見張っている。そのアメリカが、われわれの軍事偵察衛星の打ち上げを非難するのは、理屈に合わず、盗人猛々しい態度だ」と反発しました。

金副部長は、「北韓の軍事偵察衛星は近く宇宙の軌道に正確に乗り、任務に着手することになる」と強調しました。

北韓は31日午前6時29分に、北西部の東倉里（トンチャンリ）付近から韓半島南方に向けて人工衛星と称する発射体を打ち上げましたが、打ち上げから2時間半が過ぎた午前9時5分ごろ、北韓国家宇宙開発局の報道官は打ち上げに失敗したことを公式に発表しています。

また、できるだけ早く2回目の打ち上げを断行するとの方針も明らかにしています。

[Photo : KBS News]