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文在寅氏の勝因 革新票が結集

ニュース2017-05-10
文在寅氏の勝因 革新票が結集

9日に行われた第19代大統領選挙では、革新票が結集し、保守票は分散したことが勝敗を決めたという分析が出ています。
大統領に当選した文在寅氏は、得票率で41.4%を獲得し、洪準杓氏におよそ17ポイントの大差をつけています。これについて、専門家らは、革新系「正義党」の沈相奵氏を支持していた票が、最後になって文在寅氏の支持に変わったためという分析をしています。
沈相奵(シム・サンジョン)氏は選挙終盤に支持率が急激に上昇し、得票率が10%を超えると予想されましたが、実際には6.2%にとどまりました。これは、沈相奵氏を支持していた革新票が、選挙戦の終盤に保守票の結集で洪準杓(ホン・ジュンピョ)氏が当選し政権交代が頓挫することを恐れたためということです。
一方、保守陣営では、保守系の洪準杓(ホン・ジュンピョ)氏と中道系の安哲秀(アン・チョルス)氏がそれぞれ24.0%と21.4%の得票率で拮抗していることから、保守票が二分されたものとみられます。
また、今回の選挙では、若年層が革新系の文在寅(ムン・ジェイン)氏を、高年齢層は保守系の洪準杓(ホン・ジュンピョ)氏を支持する世代間の対立構図がかつてより鮮明になった一方、地域間の対立構図は薄らいだという分析が出ています。
文在寅氏は、20代から47.6%、30代から56.9%、40代から52.4%を得票し、若年層と中年層から幅広い支持を受けた一方、洪準杓(ホン・ジュンピョ)氏は60代から45.8%、70代以上から50.9%を得票し、高年齢層から厚い支持を受けています。
一方、去年4月に実施された国会議員総選挙に続いて、今回の大統領選挙でも、特定地域の票が特定候補に集中する地域間の対立構図は薄らぎました。
中央選挙管理委員会によりますと、今回の選挙戦ではどの地域も特定候補に3分の2以上の票が集まる「票の集中現象」は見られなかったということです。
文在寅氏は、伝統的に保守色が強いとされる釜山や蔚山でも得票率で1位となり、地域に関係なく万遍なく高い得票率でした。
反面、洪準杓(ホン・ジュンピョ)氏は、当初、前回の2012年大統領選挙で朴槿惠(パク・グネ)前大統領が80%以上の票を得た保守色の強い大邱(テグ)や慶尚北道(キョンサンブクド)で圧勝するとみられましたが、いずれの地域でも得票率は過半数に満たない結果となりました。

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