｢あなたのための行進曲｣光州で斉唱へ　文大統領が指示

文在寅（ムン・ジェイン）大統領は、来週行われる光州（クォンジュ）民主化運動の犠牲者を追悼する記念式典で、民主化運動の象徴とされる歌「あなたのための行進曲」を斉唱するよう指示しました。
1980年5月に起きた光州事件では、民主化を求めた群衆に軍が発砲して多くの人たちが犠牲になりました。「あなたのための行進曲」は、この光州事件の犠牲者たちを追悼するために作られた民衆歌謡で韓国の民主化運動の象徴とされています。
この歌を歌うことは、文大統領が大統領選挙戦で掲げていた公約の一つで、大統領府青瓦台は今回の指示について「光州民主化運動の精神が損なわれないようにするための大統領の強い意志が反映されたものだ」と説明しています。
政府は、光州事件が起きた5月18日を「光州民主化運動の日」として1998年に政府の公式記念日に指定し、2008年までは「あなたのための行進曲」をその場に出席した全員が歌う斉唱曲に指定していました。
しかし、李明博（イ・ミョンバク）政権が発足した翌年の2009年からは保守派の反発から合唱曲に格下げされ、この歌を斉唱すべきか合唱とすべきかをめぐって、保守革新、全羅道とほかの地域の対立が激しくなっていました。
今回の文大統領の決定で、毎年繰り返されてきた対立は収まり、来週18日に開かれる第38回光州民主化運動記念式典では「あなたのための行進曲」が 9年ぶりに斉唱されるようになり、文在寅大統領も式典に出席してこの歌を歌うものとみられています。