パク・チャヌク監督作
2024-06-05
ⓒ Getty Images Bank
昔々、韓半島の真ん中にそびえる霊峰、金剛山(クムガンサン)の頂に
パク・ヒョノクという名前の学者が住んでおりました。
学才があるにもかかわらず、官に仕えなかった彼は、朴(パク)処士と呼ばれました。
ある日、近くの村にイ・ドゥクチュンという人が観察司として赴任してきました。
二人は気が合い、すぐに親しくなりました。
朴(パク)処士の娘と李大監(イ・テガム)の息子は結婚しました。
ところが結婚式が終わり、花嫁が待つ部屋に入っていった花婿、李時白(イ・シベク)が
悲鳴をあげました。
「ぎゃあ!あ、あれは化け物です!出っ張ったおでこ、目も口も醜い化け物です!」
李時白(イ・シベク)は妻の朴(パク)氏の部屋に一度も足を向けませんでした。
姑も召使いたちもそんな朴(パク)氏を無視し、陰口を叩きました。
月がひときわ明るい、ある夜のことでした。
朴(パク)氏の父親、朴(パク)処士が雲に乗って山から下りてきました。
朴(パク)処士がご祈祷を捧げた後、呪文を唱え、
娘の朴(パク)氏が皮を脱ぎ捨てると、美しい本来の姿が現われました。
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朴(パク)氏は夫の李時白(イ・シベク)に、それまでの経緯を説明しました。
「これまで容姿だけであなたを見ていました。本当に恥ずかしいことです。
どうか私の過ちを許してください」
朴(パク)氏は自分の行動を恥じ、心から謝る夫を慰め、許しました。
当時、韓半島の北部は中国の度重なる侵略に悩まされていました。
朴(パク)氏の夫、李時白(イ・シベク)は林慶業(イム・ギョンオプ)将軍とともに
先頭に立って国を守るために戦いました。
その時、敵国の王の娘、キリョンデが前に進み出ました。
キリョンデは魔術をあやつる、極めて危ない女性でした。
しかし、神通力のある朴(パク)氏はこの状況をすべて見抜いていました。
朴(パク)氏が予言したように雪中梅(ソルチュンメ)に扮したキリョンデが訪ねてきて
攻撃してきましたが、朴(パク)氏が呪文を唱えると、
キリョンデは一瞬にして自分の国まで飛ばされてしまいました。
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キリョンデの魔術が通じないと聞いた敵国の王は悩みました。
そして、最も信頼する二人の将軍、竜骨大(ヨンゴルテ)とヨンウルテ兄弟を送り込みました。
未来を予知する朴(パク)氏は夫の李時白(イ・シベク)を通して
王を臨時の行宮(あんぐう)がある南漢山城(ナムハンサンソン)に避難させました。
漢陽(ハニャン)に残ったヨンウルテは多くの人を殺し、手当たり次第、略奪しました。
朴(パク)氏の神通力で武装したゲファがヨンウルテを倒しました。
王は朴(パク)氏に勧められるまま、降伏文書を書き、
世継ぎの王子が人質となることで、戦は終わったように見えました。
ところが、自国へ向かっていた竜骨大(ヨンゴルテ)が弟の死を耳にし、
朴(パク)氏の家に向かって馬を駆りました。
ゲファが飛び出し、竜骨大(ヨンゴルテ)と刀を交えました。
次いで朴(パク)氏が現われ、呪文を唱えると、
竜骨大(ヨンゴルテ)は手足を動かすことができませんでした。
朴(パク)氏は命乞いをする竜骨大(ヨンゴルテ)を自分の国に送り返しました。
戦は終わり、功績を認められた李時白(イ・シベク)は高い官職に就きました。
そして、神通力で国を救った朴(パク)氏は「忠烈夫人」という称号を授かりました。
2024-06-05
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