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ライフスタイル

2015年社会面、その後は? その3 ベンツとゴルフクラブ(9月16日放送)

2015-12-23

玄海灘に立つ虹

2015年社会面、その後は? その3 ベンツとゴルフクラブ(9月16日放送)
今年の9月、社会面でこんな事件をご紹介しました。
光州に住む30代の男性が自分の2億ウォンもする高級乗用車ベンツを販売店の前でゴルフクラブで叩き壊し、その映像をネットで公開しました。この男性、欠陥車を交換してくれないベンツ側に腹を立てて抗議の意味で叩き壊したと言っています。
この男性は自動車専用道路を走行中に突然エンジンが止まってしまうことがあり、エンジンが切れるとハンドルもブレーキも効かなくなってしまい、事故になりかけたと主張していました。
この事件その後どうなったかといいますと、結局国土交通部が今月7日にベンツ・コリアに対して、該当車種のリコールを命じました。調査の結果、該当車種のエンジン電子制御システムプログラムに問題があったことが確認されました。走行中に減速する際、瞬間的に燃料の供給が円滑に行われずエンジンが切れてしまうことがあるというのです。リコールの対象は2013年5月13日から11月21日までに製作された、721台でした。
今年はもう一つ外車と関係して大きな話題となった事件がありました。ことし9月、フォルクスワーゲンがアメリカの排ガス規制を逃れるためにディーゼル車に不正なソフトウエアを搭載していたことが発覚したもので、日本をはじめ世界的に大きな注目を浴びました。
韓国でもその後3000人がフォルクスワーゲンを相手どり集団訴訟を起こしたりしています。また韓国政府もアウディやフォルクスワーゲン韓国法人に対して、排気ガス排出量操作事件を巡る補償について、米国やカナダ並みに行うべきだと勧告しました。環境部の関係者は
「先月、アウディやフォルクスワーゲン韓国統合法人のアウディフォルクスワーゲンコリア側に、補償計画をまとめるよう要求した。具体的な金額は決めていないが、韓国内消費者が北米消費者に比べ、差別を受けるのを防ぐため、北米地域並みの補償計画をまとめるよう勧告した」
と言っています。北米並みの補償とは何かと言いますと、フォルクスワーゲンは先月9日(現地時間)、米国とカナダで自社のディーゼル(軽油)車両の持ち主に対して、1人当たり1000ドル(約118万ウォン)相当の商品券やバウチャーを提供することを決めたため、これに準じるようにという意味です。
しかし韓国の消費者、こんな動きもしています。 アメリカのウォール・ストリート・ジャーナルには最近こんな記事がのりました。
「フォルクスワーゲン(VW)の販売が世界各国で落ち込んでいる中、韓国では唯一、販売が急増した。排ガス不正問題にもかかわらず、韓国の消費者たちの輸入車に対する情熱は冷めていない」
これは、フォルクスワーゲンの韓国法人が11月に国内で4500台以上を販売し、韓国進出以来で最高の実績を挙げたことを皮肉ったものです。日本、米国、英国での先月の販売台数は、前年同月に比べそれぞれ32%、25%、20%ほど減少しました。お膝元のドイツでさえも、2%のマイナス成長でした。それなのになぜか韓国では販売が増えているのです。なぜでしょう?
理由は値引きです。フォルクスワーゲンコリアは先月、全車種を対象に、60カ月の割賦販売の利子をゼロにしたり、10-20%の現金値引きをしたりしました。しかし、値引き販売は各国で実施されています。ほかの国ではフォルクスワーゲンの販促に消費者が「クール」な反応を見せたのに対し、韓国の消費者だけがこぞって殺到した格好です。専門家らは
「韓国の消費者たちはひときわ価格に敏感だ。不正に怒るよりも車を安く買うチャンスに飛びついた。自動車メーカーが『韓国では大胆な値下げさえすればどんな問題でも許してもらえる』と誤解しかねない。価格に振り回されない先進国の消費者の姿勢や価値観は学ぶに値する」
と指摘しています。欠陥車だと言ってゴルフクラブで車を叩き壊したり、不正をしたと知っても安ければいいと飛びつく心理といい、先進国の国民になるには程遠いのではと感じさせる結末でした。

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