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ライフスタイル

タクシー内の民心(voice taxing)

2016-04-04

玄海灘に立つ虹

タクシー内の民心(voice taxing)
韓国ではタクシーと言うのは非常に身近な交通手段です。私もよくKBSの行き帰りに利用しますが、学校や塾に遅れそうになった学生が利用したり、病院への行き帰り、あるいは在来市場での買い物の帰りにたくさんの野菜や果物を手にしたお年寄りが利用することもよくあります。
市民の足である韓国のタクシー、そしてタクシーの中では日本と違い運転手さんとお客との対話も弾むことがよくあります。そんなタクシーの中での会話には民心、ソウル市民の考えがよく反映しています。そこで4月の総選挙を前にして中央日報の記者が2月2日から3月27日まで、合計4回、26時間にわたり実際にタクシードライバーとして仕事をして乗客の肉声を取材しました。
この30代の記者は4年前に就職のために取得したタクシーの運転免許をつかい臨時職として勤務しました。そして合計14人の乗客を乗せました。市民の声は
南クロ駅から乗車した40代の女性は
「選挙でも投票はあまりしません。党だけ変えて出てくる人物ばかりで、どこも同じようです。自分たちの間だけで分裂し、内紛している人に期待することもありません。与党の公認候補選出の過程もひどかったですが、もっと残念なのは野党が代案を出せないことです。公約もどれも似たようなもので、誰に投票すればよいか分かりません」
午後の時間帯、昼ごはんと共にアルコールも少し飲んだという50代の男性は記者の質問に
「国会議員の野郎どもは国民の苦労も知らず、あんまりだ。私は全羅南道ヨングァンの出身だけど今回は野党、投票しないよ。喧嘩しては分裂、分党し。正直、国民のために働いてくれる人に投票したいよ」
乗客たちは社会的な問題に対しても指摘していました。梨花女子大前から乗った50代の女性は
「偉そうな公約は皆、必要ありません。経済をどうにかしてほしいです。私教育費のせいでオンマたちは皆、お金を稼ぎに出かけています。それで家の中も乱れてしまうという悪循環です」
インターネットショッピングモールで働くという20代の女性は
「4年前に2万ウォンで売っていたニットのセーターを最近は4900ウォンで売っています。売っても利益にはなりませんが、競争相手がもっと安く売っているので、仕方がありません。今年の目標ですか? 会社員にそんなものありません、ただ生き残るために死ぬほど働くしかありません」
韓国人はおしゃべり好きです。初めてあったタクシー運転手のおじさんともいろいろな世間話に花を咲かせます。特に選挙の時期になるとその話題は自然と政治の話になります。去年一年間にソウルのタクシー運転手一人当たり5400人の乗客を運んだといいます。ある意味でSNSよりももっと身近なソウル市民の声だといえます。

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