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ライフスタイル

加湿器殺菌剤

2016-05-04

玄海灘に立つ虹

加湿器殺菌剤
企業が何か不祥事を起こすと、その企業の代表がマスコミのカメラの前に現れ深く頭をさげて謝罪する、日本だと良く見られる光景です。先日、韓国でも同じような光景が見られました。しかも、頭を下げているのは外国人、そしてそんな代表に会場からは被害者からの怒声があがりました。
頭を下げたのは多国籍企業の韓国法人「オキシー・レキット・ベンキーザー」の代表で、事件は2011年に発覚した加湿器殺菌剤が原因で多数の死傷者がでた事件です。
加湿器殺菌剤とは、加湿器の中に入れて使う洗浄剤のようなもので、加湿器の水に混ぜて使用します。ではどんな事件だったのか、5年前、2011年9月の東亜日報の記事です。
保健当局は今年4月と5月、妊産婦らの間で集団発生し、5人の命を奪った原因不明の肺損傷疾患は、加湿器の殺菌剤のせいである可能性があるという暫定的調査結果を、31日発表した。 疾病管理本部は、「原因不明の肺損傷患者が詰め掛けたソウル峨山(アサン)病院の、04年から11年にかけての患者18人と一般呼吸器患者とを調べたところ、加湿器の殺菌剤を使ったとき、肺損傷の危険性が47.3倍も高まった」ことを明らかにした。
その後、保険当局は消費者に対し、加湿器での殺菌剤使用を自粛するよう勧告し、メーカーに対しては販売を中止し、製品を全品回収するように要請しました。韓国の加湿器殺菌剤市場は年間20数億ウォン規模で、オキシーが市場の90%以上を占めていました。東亜日報の記事はさらに詳しく説明しています。被害者に妊産婦が多い点、韓国内の製品だけが問題なのかと言う点
今年、ソウル峨山病院に原因不明の肺疾患で入院した17人のうち、10人が妊産婦だった。死亡者5人とも全員、妊産婦だった。新生児は適正に湿度を保たれなければならず、加湿器を多く使っている。産婦は、赤ちゃんと一緒に加湿器を使うケースが多く、室内で過ごす時間も同様に長い。また、妊婦の場合、お腹が膨らむと息が苦しくなり、普段より呼吸量が30%ほど増える。毒性物質に同様に露出されても、吸入量はより多い。
韓国以外の国ではこのような肺損傷事例が報告されていない。韓国のように、加湿器殺菌剤の使用が一般化した国はほとんどない。

そして事件の発覚から5年がたち、ようやく企業側が謝罪の記者会見を今月2日に行いました。韓国政府が実施した調査で加湿器殺菌剤により肺の損傷などを起こしたと確認された221人中、178人がオキシー社の製品を使用しており、90人の死者のうち、70人が同社の製品を使っていました。2日の記者会見で同社の代表は
「オキシーの加湿器殺菌剤により肺を患った被害者と家族に深く謝罪する。オキシー英国本社と韓国法人は今回の加湿器事態に対して全面的に責任を取る」
と述べました。しかしこの記者会見はわずか5分で終わってしまいました。被害者から強い抗議が出たためです。今回の記者会見も最近、同社の製品に対する市民団体の不買運動が起きており、それを意識してのことではないかという見方もでています。事件の被害者の一人、今年14歳のソンジュン君は生後14ヶ月から現在まで常に酸素ボンベをつけて暮らしています。学校に行くのにも重たく、大きなボンベと一緒です。
日本の産経新聞は「1500人死傷の韓国殺菌剤事件、企業が謝罪し補償約束 「家の中のセウォル号事件」」と報道しています。なぜ家の中のセウォル号事件なのか、政府も、検察も、企業も、だれもこの5年間責任をとろうとはしなかったからです。また子供たちが犠牲者です

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