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ライフスタイル

江南トイレ殺人事件

2016-05-25

玄海灘に立つ虹

江南トイレ殺人事件
今日はある殺人事件が巻き起こした大きな波紋についてご紹介したいと思います。事件は17日の未明にソウルの繁華街、江南駅の近くでおきました。
ソウル市内にある商業ビルのトイレで20代の女性が見知らぬ男に殺害された。 事件は17日未明、ソウル・江南駅近くの飲食店が入店しているビルの男女共用トイレで起きた。男は同日午前0時半ごろ、トイレの男性用スペースで女性が入ってくるのを待ち伏せし、午前1時過ぎに入ってきた女性を刃物で数回刺して殺害したとされる。男は同日午前10時ごろ、犯行現場近くで緊急逮捕された。
波紋1.
警察はこの事件を精神疾患者による無差別犯罪だとの結論をだしました。
ソウル地方警察庁の科学捜査係行動科学チームはキム容疑者(34)について心理分析を行い、「女性たちが自分をけん制し、苦しめているという被害妄想から始まった犯罪だ」と明らかにしました。
そして犯人が2008年に統合失調症の判定を受け6回、計19ヶ月にわたって病院で入院治療を受けていたことが明らかになると、「犯罪の可能性のある一部の精神疾患者への管理」が必要だと言う声が上がりました。
波紋2.
犯人が逮捕直後に動機について「女の子にいつも無視された」などと供述したことが明らかになり、女性たちを中心に怒りの声が上がり、事件の起きた江南駅の10番出口には被害女性を追悼する数千枚のメモが張られました。そして追悼の動きは釜山、大田など全国に広がっています。
女性たちの残したメモには
「私が生き残っているのはただ運が良かっただけ」 「私も犠牲者になるところだった」「男性と一緒にいれば何でも無いことでも、夜遅く一人で歩いていると、男性から公然と悪口を言われたり、酔っ払いにからまれたりする」
と言うものが見られ、特に若い20,30代の女性たちが「女性だから亡くなった」と今回の事件を韓国社会の女性嫌悪現象に結び付け、女性を狙った犯罪の撲滅を訴える集会が開かれています。
韓国はまだまだ男性中心の社会ですが、女性の社会進出は着実に進んでいます。そのため「女性は兵役の義務も負わないなど特別待遇を受けている」などとして、女性を嫌悪する男性が増えているというのです。
波紋3
今回事件の起きた場所が雑居ビルの公衆トイレ、それも男女共用トイレだったことから男女共用トイレに対する不安感を訴える人も増えています。
女性たちは「カメラの盗み撮り犯罪でも足りず、殺人まで起きた共用トイレについて改善策を出さなければならない」と主張しています。
さらにオンラインショッピングモールでは女性の護身用品の購入が増加しています。オンラインショッピングモールのCJモールでは殺人事件が発生した17日から20日までの護身用品の販売が前の週に比べて7倍以上増えたとしています。
20代の若い女性がトイレで見知らぬ男に突然襲われ、殺された事件。実は私はこの事件のことを東京にいる娘から知らされました。お母さん、江南駅で女性嫌悪殺人事件が起きたと、それだけ韓国の若い女性の間でこの事件が大きな波紋を投げかけている証拠だと言えます。一方で男性側からも、一人の犯人が起こした事件を男性一般としてとらえてほしくはないという意見も出ています。また江南駅にあった市民のメモをソウル市が乗り出し、ソウル市庁舎に移しました。政治まで介入してきたのです。

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