今週は旧正月のある週です。そこで旧正月の挨拶、韓国の挨拶の中でも一番丁寧なクンチョルについてご紹介しましょう。
クンチョル、つまり大きなお辞儀という意味です。どんなお辞儀をするのでしょう。
それでは今日も留学生の山田君と金さんの会話からです
金さん 山田君、旧正月の連休、日本には帰らないんでしょう。
それならぜひ我が家に遊びに来て、うちの家族も喜ぶから
山田君 それはありがとう、でも金さんのところ、たしか大家族でしたよね。
おじいちゃん、おばあちゃんも一緒に住んでいるとか
金さん そうよ、うちの父が長男だから。
旧正月には親戚も皆集まるから、20人くらいにはなるわね
山田君 そんなにいっぱい! その皆さんに全部挨拶するんですよね。
金さん そうね、足が痛くなるかもね。
山田君 足がしびれて?
金さん いいえ、関節が痛くなるかもね
日本のように正座をするのではなく、韓国では男性はあぐらをかくのが正式な座り方なので、足が痺れて立てなくなるということはありません。
でも旧正月、目上の人にはクンチョルという一番丁寧な挨拶をしなければなりません。挨拶される側の目上の人は、部屋の上座にどーんと座っています。その前にたち、まず両手を重ねて一度座り、そのまま両手を床につき頭を深く下げます。さらに立ち上がって、軽くまた頭を下げます。これがクンチョルです。
相手が目上の人なら、このように一度座って頭をさげ、次に立ち上がってもう一度軽く頭を下げるということになります。
旧正月と秋夕(旧暦の8月15日)に行われる茶礼、そして命日に行われる祭祀の際には同じようなクンチョルを、今度は座って頭を下げること2回、立ち上がって頭を下げること1回行います。これはご先祖様へのあいさつです。
そして茶礼、祭祀の際にはこのクンチョルを最低でも3回、中には何回も繰り返す家もあります。
またお寺にいってご本尊など、仏様の前でもこのクンチョルをしますが、その場合は人によっては108回これを繰り返します。そう大晦日の除夜の鐘を同じ回数です。
受験生のお母さんたちの中には、合格祈願のためにこのクンチョルを1千回、3千回行う人もいます。
ということで、韓国マナー。クンチョルという床に頭をつけてする挨拶、これが韓国で一番丁寧な挨拶の仕方、クンチョルです。