メニューへ 本文へ
Go Top

論点

慰安婦訴訟で日本政府に賠償判決

2021-01-16

ニュース

ⓒYONHAP News, Getty Images Bank

旧日本軍の元従軍慰安婦被害者の女性12人が日本政府に損害賠償を求めた訴訟で、ソウル中央地方裁判所は賠償を命じる判決を出しました。

ソウル中央地裁は、各種の証拠と資料、弁論の趣旨から被告の日本政府の違法行為が認められるとしたうえで、原告は精神的及び肉体的苦痛を強いられたとして、原告1人当たり1億ウォン、およそ950万円の賠償金の支払いを日本政府に命じました。

判決は、慰安婦を日本政府が動員したのは「計画的かつ組織的に行われた反人道的犯罪行為」だとして、当該訴訟に主権免除の原則は適用できない」との判断を示しました。

また、「1965年の韓日請求権協定や2015年の慰安婦合意にこの事件の損害賠償請求権が含まれるとは見なしがたく、請求権は消滅していない」と付け加えました。

日本政府は「主権免除の原則」を主張して裁判自体を認めておらず、控訴もしない方針です。

日本政府が控訴しない場合、一審の判決が確定する見込みです。

慰安婦被害者らが日本政府に損害賠償を求めた訴訟で判決が出たのは初めてで、ソウル中央地裁が日本政府が主張している「主権免除の原則」を認めなかったことから、今後の動きが注目されています。

この裁判は、植民地時代に日本政府に強制連行されて慰安婦にされたとして2013年8月に原告らが民事調停を申し立てましたが、日本政府が訴訟関連書類の受け取りを拒否し、調停は成立しませんでした。

その後、2016年1月に正式裁判が始まりましたが、正式裁判でも日本政府は関連書類の受取りを拒否し、公示送達の手続きを経て、審理が進められました。

一審判決まで7年5カ月もかかったことから、その過程で原告の慰安婦被害者4人が高齢で死亡しました。

この裁判は、日本政府を相手取って賠償を求めた訴訟で裁判所が「主権免除の原則」を認めるかどうかが注目されましたが、ソウル中央地裁は「主権免除の原則」を認めず、例外的に韓国の裁判所に裁判権があるとの判断を示しました。

一審で判決が確定すれば、韓国にある日本政府の資産の差し押さえという事態に発展しかねません。

韓日関係は、元徴用工被害者への賠償判決問題で極端に冷え込んでいます。

元徴用工訴訟は日本の民間企業を相手取った訴訟ですが、今回の訴訟は日本政府が被告となっていて、このままではさらなる関係悪化は避けられない状況です。

韓国政府は、三権分立の原則から「司法判断を尊重する」という姿勢ですが、政治主導で問題の解決を図るべきだとする指摘が出ています。

おすすめのコンテンツ

Close

当サイトは、より良いサービスを提供するためにクッキー(cookie)やその他の技術を使用しています。当サイトの使用を継続した場合、利用者はこのポリシーに同意したものとみなします。 詳しく見る >