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優しい男
KBSが、水曜と木曜に放送しているドラマ「世界のどこにもいない優しい男」のタイトルを、途中で変更すると発表しました。もともと、「優しい男」を「차칸 남자」と表記していましたが、変更後は「착한 남자」となりました。
韓国語は読み方と実際の表記が異なる場合が多く、正しい表記である「착한 남자」は、「차칸 남자」という発音になります。そこで、制作陣は意図的に「차칸 남자」をタイトルにして、KBSも最初はこれを認めていましたが、物議を醸したこともあり正しい表記に変更することになりました。創作物の個性を尊重しなければならない反面、正しい言葉を使うように導くことが公益放送の役割であるということを重く考えたうえでの苦渋の決断だったということです。
しかし、タイトルが変更された理由はこれだけではないのではないかとの憶測も出ています。同番組は「チキンマル」というフライドチキンの会社がメインスポンサーになっており、最初のタイトル「차칸 남자」は、「チキン(치킨)」を連想させるための宣伝ではないかとネット上で話題になっていました。そこで、放送通信委員会から正式に警告を受けるまでに変更しておこうと判断したのではないかとも考えられます。主人公の名前が「マル」であることも、宣伝の一環ではないかと見られています。
韓国ではもともとテレビ番組内での間接広告が禁止されていましたが、2010年から許可されるようになりました。しかし、露出時間は本編尺の20%以下、大きさは画面の4分の1以下と制限があります。そこで、さらに宣伝効果を上げようと、番組内で使われる「名前」からスポンサーを連想するよう促す工夫がなされるようになりました。MBCで今年の春に放送されていた「The King ~Two Hearts」の場合、ハングル表記は「더킹투하츠」。これは、メインスポンサーである「던킨도너츠(ダンキンドーナツ)」を連想させると言われています。今回の「優しい男」も同様の効果を狙ったのではとささやかれいます。
同ドラマは、「차칸 남자」と発表された当時、ハングル保護団体からは「固有の言語の乱れを招く」として、一般市民からは「番組自体が広告である」として、数箇所の地方裁判所に放送禁止の仮処分申請が出されました。現在は、タイトルを変更したことで事態が落ち着いてはいますが、今後も同様のケースが発生するかもしれないと懸念されています。

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