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硫酸テロ
今月7日、15年前に大邱市で起きた「硫酸テロ事件」の時効が成立するため、同事件が迷宮入りとなる可能性が高まっています。
硫酸テロ事件とは、1999年5月20日、大邱市で当時6歳のキム・テワンくんが家の前で何者からか硫酸をかけられた事件で、テワンくんは49日後に死亡しました。当時のテワンくんの証言によると、事件発生直前に近所のフライドチキン屋の店主から名前を呼ばれたということですが、これが具体的ではなかったため、警察はこの店主がテワンくんを病院に運んだことでテワンくんの記憶が混同しているのではないかと推測しました。また、店主は自宅にいたと主張したため、店主を逮捕するには至りませんでした。しかし、遺族が当時のテワンくんの証言(録音)を犯罪心理分析や児童心理分析の専門家たちに依頼して証言に信憑性があるとの確認をとったため、警察は昨年末から捜査を再開。現在、タイムリミットを前にした必死の捜査が行われています。
韓国の刑事訴訟法上、現在、刑事事件の公訴時効は1年から最長25年までです。以前は最長15年でしたが、2007年に刑事訴訟法が改正され、殺人罪や、13歳未満の児童と障害者を対象とした強姦罪などについては時効が25年に延長されました。ただ、改正前の時点で発生した事件には遡及されないため、硫酸テロ事件の時効成立は15年です。事件発生からこれまで警察は傷害致死事件として捜査していたため、すでに5月20日にいったん時効を迎えていますが、時効成立直後に殺人事件に切り替えたため、テワンくんが死亡した7月7日まで延長されています。
各国の公訴時効と比べてみると、イギリスには公訴時効の制度自体がなく、アメリカは日本のように最高刑が死刑の犯罪には時効がありません。また中国には殺人罪の時効はあっても30年で、以前から、これらと比較すると、韓国のように時効成立までが25年というのは短すぎるのではないかと多くの法学者から指摘されていました。硫酸テロ事件の時効成立を目前にして、韓国では、再び時効制度を考え直そうという動きが高まってきています。

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