メニューへ 本文へ
Go Top

文化

朝鮮時代の伝統市場を再現した「六矣廛」体験フェスティバル

2013-10-08



ソウルの都心、鐘路(チョンノ)の中心街に門付、カクソリが登場し威勢よく歌い始めます。カクソリの登場は、9月28日と29日の2日間、鐘路で開かれた六矣廛(ユギジョン)体験フェスティバルでした。六矣廛は、都の漢陽(ハニャン)の御用商人の中で、特に規模の大きかった6種の商店です。6種の商店とは、錦織物、綿布、絹織物、紙、苧の織物、そして魚について、御用に応じて商品などを納入するお店でした。六矣廛(ユギジョン)は王命で指定された御用商人で、物を売るだけではなく、官需、つまり国で必要とする物資を調達する役割も果たしていました。

漢陽(ハニャン)、現在のソウルに六矣廛が形成されたのは、15世紀、朝鮮王朝3代目の王、太宗(テジョン)の時代でした。高麗時代の市場をモデルにして、鐘路を中心に左右にお店が並びました。その位置は、現在の鐘路から都心を流れる川、清渓川(チョンゲチョン)、南大門(ナムデムン)付近まで続きました。

朝鮮王朝は六矣廛の商人に対して、特定商品を独占販売する権限を与えました。これに対し、六矣廛の商人は多額の税金を納めました。朝鮮時代には、税金を出す商店は市廛(シジョン)、税金を出さない商店は乱廛(ナンジョン)と呼ばれました。国は税金を納める市廛(シジョン)の商人たちに2つの特権を与えました。一つは市廛商人が乱廛商人を統治する絶対的な権利でした。もう一つは軍役負担の免除です。軍隊だけではなく、城を築いたりする時などに課される賦役も免除されました。当時としては大きな特権でした。

高価の商品が取引きされるため、六矣廛はいつも多くの人でにぎわっていました。その昔、六矣廛は鐘路から南大門界わいまで、かなり広い地域にまたがっていましたが、六矣廛体験フェスティバルが開かれたのは清渓(チョンゲ)観光特区でした。清渓観光特区には衣類、靴、貴金属、大きな在来市場など1万5千から1万6千店あまりのお店が密集している地域で、今も600年前の六矣廛のようなにぎやかな雰囲気を味わうことができます。



六矣廛体験フェスティバルでは錦織物、綿布、絹織物、紙、苧の織物、魚など6種の商店がそのまま再現されました。紙を売る商店、紙廛(チジョン)、苧の織物の商店、布廛(ポジョン)、六矣廛でもっとも規模が大きかった 錦織物の商店、縇廛(ソンジョン)、唯一、食材、魚を売っていた魚物廛(オムルチョン)などが登場し、人気を集めました。六矣廛体験フェスティバルではさまざまな伝統遊戯を楽しむこともできました。

鐘路にあるタプコル公園の正門の左手には六矣廛の跡地と記された小さな石碑があります。また、石碑のすぐ近くにある六矣廛博物館に行くと、六矣廛の遺跡を見ることもできます。2003年に進められた鐘路一帯の家並みの建て替え工事も過程で発掘された六矣廛の遺跡の上にガラスをかぶせ、六矣廛博物館が建てられたのです。博物館に入ると、靴の上に布の袋を履き、ガラスで覆われた遺跡の上を歩くことができます。

今から600年前、六矣廛があった場所は、今もたくさんのお店が密集するソウルの商業の中心地です。そこで開かれた「六矣廛」体験フェスティバルは過去と現在を結ぶタイムマシーンのようなイベントとして話題を集めてました。

おすすめのコンテンツ

Close

当サイトは、より良いサービスを提供するためにクッキー(cookie)やその他の技術を使用しています。当サイトの使用を継続した場合、利用者はこのポリシーに同意したものとみなします。 詳しく見る >