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ライフスタイル

第55話 アルファママとベータママ

2009-06-22

玄海灘に立つ虹

第55話  アルファママとベータママ
今週から来週にかけて、韓国の学校では1学期の期末テストが始まります。
韓国には「4当5落」という言葉があります。4時間寝ると志望する大学に合格し、5時間寝たら不合格という意味で、「3当4落」ともいわれています。それだけ睡眠時間を削って勉強しないと志望校にうかるのはむずかしいという意味の言葉です。この言葉は、逆に言うと、合否の一番の決め手は本人の努力ということにもなります。ですが最近はこの言葉は以前ほど盛んには使われなくなっています。合格するための、他の要因が登場しているからです。そのうちのひとつが母親の情報力で、ここで出てくるのがアルファママ(Alpha Mom)という概念です。
アルファママとは、もとはアメリカでつくられた経済関係の造語で、一番の関心事である子どもの教育の情報を共有するために積極的に動く母親を指し、その積極性から、さまざまなマーケティングの対象にもなっています。ただ、本来の意味は、仕事と家庭をバランスよく両立させている女性像というものですが、韓国では、専業主婦で、子どもの世話にすべてを捧げる母親を指しています。これと対称をなす言葉がベータママです。職を持っていて、子どもの自主性を尊重する母親です。
この二つをもう少し詳しく比較してみましょう。まずアルファママは、子どもの教育に企業経営の考え方を取り入れて、効率性を追求します。対してベータママは、子どもが自ら進路などを決められるようにアドバイスする役割に徹します。そのため、アルファママのように科学高校や外国語高校など受験が必要な優秀な学校に子どもを入学させるべく綿密な計画をたてたりはしません。アルファママは子どもが目標を達成できるように子どもの日常を時間割りをつくってきちんと管理します。主に予備校や塾など学校以外の場所での勉強に力を入れます。ベーターママは学校の勉強を第一に考えます。
アルファママはそれこそ韓国でよく見られるタイプです。学校が終わったら子どもを車に乗せて塾に連れていくお母さんが多いですが、このタイプだといえます。ただこのタイプは子どもがプレッシャーを感じやすいという短所があります。かといって、ベータママのように自主性を重んじるのもいいですが、放任になってしまい、子どもが勉強に関心を示さないようになる可能性もあります。最近は特にアルファママの短所が強調され、ベーターママを擁護するコラムや新聞記事がよく見られるようになりましたが、いずれにしろ重要なのは、母親と子どもとの信頼関係ではないでしょうか。信頼関係を基礎に何事もほどほどにするのが一番いいのでしょうが、ほどほどがどれぐらいなのかを判断するのが難しいところです。

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