歌手、ソ・テジと女優、イ・ジアが、離婚後の財産分与と慰謝料をめぐって裁判で争っていることがわかりました。
このふたりは離婚していることはおろか結婚していることさえ知られていなかったため、芸能界だけでなく韓国社会全体に衝撃が走りました。イ・ジアさんは、ぺ・ヨンジュンさんと共演したドラマ「太王四神記」のヒロインとして日本でも知られている女優さんですが、ソ・テジさんは、最近のK-POPブームのさなかでも聞いたことがないという人もいることでしょう。彼は1993年に「ソ・テジワアイドゥル（ソ・テジと仲間たち）」という3人組のダンスユニットのメインボーカルでデビューし、社会への皮肉や風刺を盛り込んだ歌詞やヒップホップとロックを混ぜたダンスミュージックで一世を風靡しました。初めて韓国語でラップを歌うなど、韓国の歌謡界はソ・テジ以前と以降に分かれるといっても過言ではないほどの業績で、「文化大統領」という異名をとる人物です。96年に引退を宣言しアメリカに渡った後、2000年に韓国に復帰し、以降はソロアーティストとしてカリスマ的な人気を誇ってきました。彼のプライベートはほとんど明らかにされていませんでした。
この点ではイ・ジアさんも同じです。イ・ジアさんは、現在彼女が所属する事務所、キーイーストの大株主、ぺ・ヨンジュンさんに抜擢され、2007年「太王四神記」でデビューしました。韓国では少し名が知れるようになるとインターネット上に高校時代などデビュー前の写真が出回るものですが、彼女の場合はそんな写真は一枚も見ることができず、「エイリアン」と呼ばれるほどプライベートは謎に包まれていました。
そのふたりが結婚していて、しかも離婚していたというのですからびっくりです。ソさんは自身のプライベートについて自分の口から発言するようなことはない性格だといわれていますが、イさんのほうはなぜプライベートをひた隠しにしていたかがわかります。今回の事態でイ・ジアさんが年齢を詐称していて、名前も変えていたこともわかりました。彼女はこれまで1981年生まれだとされていましたが、1997年に結婚していたことが明らかになったことで、実は1977年生まれだったことがわかったのです。
婚姻届と離婚届を出していたのがアメリカで、主にアメリカで結婚生活をしていて、そしてすでに離婚していたとはいえ、結婚していた事実をここまで隠すことができるのか、しかも相手があのソ・テジだったとは・・彼女のプライベートが次々と明らかになるにつれ、衝撃は広がるばかりです。ただ、離婚した時点については、ソ・テジさんは2006年、イ・ジアさんのほうは2009年という風に、双方が異なる主張をしています。イ・ジアさんはドラマ「アテナ：戦争の女神」で共演したチョン・ウソンさん（映画「私の頭の中の消しゴム」主演）と交際していて結婚秒読みではないかと言われていたので、とにかくこのニュースには何度も驚かされました。そんな中、ふたりが離婚するよう決定したアメリカの家庭裁判所のいわば判決文が公開され、その判決文にイ・ジアさんが慰謝料などの金銭的な支援を放棄すると明記されていることが明らかになりました。また今後ソ・テジさんのほうから何らかの立場表明があるのではないかと見られるため、まだ当分は韓国はこの話題で持ちきりになりそうです。