梅雨が明け、やっと果物がおいしくなる時期がやってきました。夏の果物といえば、スイカでしょう。今の時期、大手スーパーでは、スイカを買いに来る買い物客がスイカといっしょに他の商品を買う効果が大きいとされるので、スイカの十分な数の確保と甘さの管理はとても大事です。実は今年のスイカはあんまり甘くありません。梅雨が長く雨がたくさん降ったせいです。そのため産地やスーパーなどでは品質管理に一層気を砕いている状況です。大手スーパーのEマートでは雨に強い特徴を持つオランダの品種を取り入れました。ロッテマートでは梅雨と浸水地域の過去のデータを分析し、浸水被害の少ない地域からスイカを仕入れるようにしています。一部の地域ではスイカの中が空洞になる現象が出ています。梅雨が長引き日照量が少なくなっていることが原因です。前述したように、スイカの売り上げが他の商品の売り上げに影響すると考えられているからです。
スイカの味が落ちているため、スイカに塩をつけて食べている人も多いのではないでしょうか。また、韓国では、きゅうりなどの野菜がめずらしかった60年代、スイカの皮がいまのきゅうりのように食べられていました。実(果肉)を食べ、残された皮の白いところを洗って、唐辛子粉、砂糖、酢などで味つけしていただきます。食感はまさにきゅうりで、いまでもこうして食べている家庭をよく見かけます。それから済州道ではスイカに韓国味噌のテンジャンをつけて食べる風習がいまでも残っています。これはスイカのできがよくなかったとき、捨てるのはもったいないので、テンジャンをつけておかずの代わりに食べていた風習の名残だということです。ちなみにテンジャンをつけたスイカは、卵、ごま油、ごまを混ぜたマッコリと相性がよいそうで、済州道では年配の方々がおやつ代わりにいただくのだそうです。
他にスイカを使った料理でめずらしいところでは、半分に切ったスイカの実をくりぬき、皮を器代わりにした冷麺というものがあります。実は冷麺の具として入っていますし、皮は煮込んで冷麺のスープに使うという、スイカをフルに活用した料理です。またスイカの白い皮はパックの材料にも使われます。ほてったお肌を冷やすのに効くそうで、白いところを切って顔につけるだけでもかなりの効果が得られるのだそうです。済州道の風習ではありませんが、スイカって本当にまるごと使える果物なのですね。