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ライフスタイル

第446話 ベンチコートが大流行の謎

2017-11-30

玄海灘に立つ虹

第446話  ベンチコートが大流行の謎
韓国ではいま、ベンチコートが大流行しています。
ベンチコートとは、スポーツの試合の時にベンチにいる選手やスタッフが着ているロングコートのことです。韓国では、内部にダウンやフェザーを用いた、膝まであるロングダウンコートが特に人気で、ロングペディング、略してロンペと呼ばれています。
ロンぺを着ていない中高校生はほとんどいないくらい、街にはロンぺがあふれています。

11月は流通業界の売り上げが伸びる時期ではないのですが、今年は事情が異なります。11月16日から20日までの間、ロッテ百貨店では、ロングダウンコートなど防寒服の販売が前の年に比べて70%伸びたことで、デパート全体の売り上げが14.1%増加しました。ちなみにロッテでは、ロングダウンコートを去年の3倍以上に当たる800億ウォン分用意したといいます。同じ期間、現代百貨店、新世界百貨店ともに全体の売り上げが12.7%、13.4%増えています。いずれもロングダウンコートの売り上げ増に後押しされた結果です。

ロングダウンコートは、ベンチコートと言うくらいですから防寒性には優れていますが、その形からしてファッショナブルだとは言い難いものがあります。それがこれほどまでに流行しているのは、アイドルスターが着たことと、早い時期から気温が下がったことが挙げられています。10月中旬から気温が下がり寒くなったため、ステージでは薄手の服で踊って歌うアイドルたちが、出番待ちのときにロングダウンコートを羽織っていたり、音楽番組の収録に出入りする姿を、ネットの記事やSNSなどで頻繁に見かけるようになり、それをかっこいいと考えた中高校生たちが、制服の上にロングダウンコートを着るようになったことで流行に一気に火が付いたというのです。

ちなみに、2018ピョンチャン冬季オリンピックの記念商品の一つに「ピョンチャン・ロングペディング」と呼ばれるロングダウンコートがあります。これの売れ行きが爆発的で、これを買うために徹夜で並ぶ人の列ができるくらいです。ダウン(羽毛)80%、フェザー(羽根)20%という良質の素材でありながら、値段が14万9000ウォンと、他のロングダウンのおよそ半額というコスパのよさ、それにアイドルなど人気芸能人が着たことで、SNSやオンラインコミュニティーなどで口コミで評判が広まりました。

韓国では、2011年から2012年ごろにかけて、親の背骨を曲げるほど経済的負担が重い(それだけ値段が高い)という意味で、背骨ブレーカーと飛ばれたダウンジャケットが、やはり中高校生の間で大流行しました。そしていままた、高価なロングダウンコートの流行に、親の背骨はまたしても曲がるばかりか、背骨ブレーカーと呼ばれた、流行遅れとなったダウンジャケットを、いまではその中高校生たちの親が着ているのが現状です。

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