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経済

韓国⋅EU FTA 来年7月1日に暫定発効へ

#今週の経済の焦点 l 2010-09-20


イタリアの反対で先送りされていた韓国とEUのFTAが来年の7月1日に暫定発効します。
これは、アメリカとのFTA交渉に進展がない中での新しい展開です。
暫定発効とは、FTA内容の中で、知的財産権の刑事執行の一部条項、また文化協力議定書の一部協力事項だけを除いて、商品の関税撤廃など、主な内容は公式的な発効とほぼ同じ内容です。EUは南米チリとの間で FTAを締結し、2003年2月に暫定発効して、2005年3月に正式発効しました。EUの会員国は27カ国もありますので、正式な発行までかなり時間がかかることもあり、まず、暫定発効してその後正式発効するというパターンが定着しています。
今後の日程は、10月6日に韓国とEUがFTA協定文に公式署名して、来年6月30日まで、韓国の国会とEUの議会でそれぞれ批准して、7月1日から発効されるという運びになります。
リスボン条約の規定上、韓国とEUのFTAはヨーロッパ議会の同意は必要ありませんが、今回は、政治的な問題を考慮してこれを行うことになっています。
2009年に仮署名した韓国とEUとのFTAに今回のようにイタリアが反対するなど、財政赤字の問題などで、EU加盟国の間で不協和音が出て重要な意思決定が遅れる恐れもありますが、今のところ大きな問題が発生する可能性は低いと思われます。
EUは工業製品の全品目を5年以内に、韓国は7年以内に関税の完全撤廃する計画です。
品目数からすると99%が3年以内に早期撤廃されます。
EUから韓国への輸入は、関税率15%のワインが即時撤廃、8~13%の織物類が即時撤廃、20%のウイスキーは3年以内、8%の小型乗用車が5年以内、25%の豚肉は10年以内に撤廃されます。
韓国の輸出品は、現在関税率12%のセーターが即時撤廃、10%の中大型乗用車が3年以内に撤廃、14%のカラーテレビーは5年以内に関税が撤廃されます。
EUは世界1の経済圏であり、韓国にとっても第2の貿易パートナーなのでFTAの締結は、大きな貿易の拡大効果があります。
EUは5.6%の平均関税率なので、アメリカよりも関税率が高く、今後、貿易拡大などの経済への効果は大きいと見られます。 関税率引き下げによる 自動車業界のEUへの輸出拡大も期待されています。
製造業と消費者の利益の側面からするとヨーロッパからの部品素材が安くなり、ブランド品やワインも安くなるので、消費者の利益も大きくなります。
また、EUと韓国との関係が良くなると、韓国を通してヨーロッパへの進出を図ろうとする外国人投資家の韓国への投資が高まる効果もあるでしょう。
さらに、韓国の制度、経済システムなどが全般的により先進化する効果があります。
韓国は、東アジアFTAのハブとして、アメリカとのFTA交渉にも弾みがつく効果を期待できます。日本への影響も多少あります。たとえば、韓国企業と日本企業のEU市場をめぐる競争において韓国企業が多少有利になるので、韓日企業間の競争もより激しくなっていくでしょう。
EUは部品・素材・機械などの製造業も強いことから、半導体と機械において、韓国企業が力を得て日本企業を代替する現象が起きる可能性もあるでしょう。


サイエンスの現場

韓国現代自動車が量産型の高速電気自動車「ブルーオン」を公開

ブルーオンは韓国初の量産型電気自動車です。日本の三菱自動車のアイミーブ(i-MiEV)に続いて世界で2番目に開発された高速電気自動車です。
最高時速130km。1回充電して140キロを走行(下の表を参考)、静止状態から時速100キロまでの到達時間が13.1秒の性能です。充電時間は、普通の充電で6時間、高速充電時間は25分です。
現代自動車は、今年30台のブルーオンを基盤として商品性の工場に力を入れて来年からは本格的な量産体制でモデル生産に入る計画です。

[ 参考]
1充電による走行距離ブルーオンアイミーブ
FTPモード
(アメリカ連邦排気ガス試験モード)
140キロ130キロ
10⋅ 15モード
(日本国内の走行条件を考慮したモード)
160キロ

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