「あなたのための行進曲」、民主主義と人権を象徴する抵抗の歌
「あなたのための行進曲」は1980年5月18日、光州事件とも呼ばれる5.18民主化運動で命を落とした犠牲者とその精神を称えるために作られた歌である。2019年に香港で起こった民主化デモ、2021年にミャンマーで起きた民主化デモでもこの歌が歌われた。世界がこの歌を自由と民主主義を象徴する抵抗の歌として、また韓国の民主化運動を模範的なモデルとして評価しているという意味になるだろう。
5.18民主化運動
ⓒ KBS1980年5.18民主化運動
1979年10月26日、朴正熙(パク・ジョンヒ)大統領が暗殺された後、新軍部勢力が12.12軍事クーデターを起こし、権力を掌握すると、全国各地で民主化を求める大規模なデモが続いた。1980年5月17日、新軍部は非常戒厳令を全国に拡大し、すべての大学に休校令を敷いた。5月18日、韓国の南部、光州(クァンジュ)に位置する全南(チョンナム)大学の前で学生たちと対立していた戒厳軍が酷い暴力を行使し、これを知った多くの市民がデモ隊に合流した。戒厳軍は暴力でデモを鎮圧し、銃撃も厭わなかった。5月27日、軍部の暴力的な鎮圧によって多くの死傷者を出した5.18民主化運動は幕を下ろした。
6.10民主抗争
ⓒ KBS1987年6.10民主化運動
多くの市民が血を流した5.18民主化運動を鎮圧した後、全斗煥(チョン・ドゥファン)が第11代大統領に就任した。独裁の打倒と民主化を要求する民主化運動は強まるばかりだった。1987年、デモに参加した大学生のパク・ジョンチョル君の拷問による死、イ・ハニョル君の催涙弾による死は国民の怒りを呼び起こし、6月10日から始まった大規模なデモが全国に広がっていった。その結果、与党の大統領候補だった盧泰愚(ノ・テウ)は大統領の直接選挙制度を可能にする憲法改正を骨子とする6.29宣言を発表した。
文民政府の幕開け、金泳三大統領の就任式
ⓒ 行政安全部 大統領記録舘3.1運動から4.19革命、そして5.18民主化運動と6.10民主抗争
植民地支配から解放された光復後の80年は経済大国に成長した韓国の歴史であり、民主化の歴史だった。現在、韓国の人たちが享受している自由は多くの人の闘争と犠牲の結果である。これからの韓国が綴っていく歴史は3.1運動から4.19革命、そして5.18民主化運動と6.10民主抗争の延長線となるだろう。