男性の人権を主張する団体「男性連帯」代表のソン・ジェギ氏がTwitter上で漢江に身を投げると予告してそれを実行し、4日後に水死体となって発見されました。
男性連帯は韓国社会において女性よりも男性が差別を受けていると訴えている団体で、これまで女性家族部の廃止や軍加算点制度の復活を主張するほか、音楽、ドラマ、映画などにおいても男性を見下していると思われる箇所がある作品に対してはすぐに訴訟を起こしてきました。しかし、活発な活動とはうらはらに政府からの支援はなく、2億ウォンにのぼる負債を抱えています。これを解消するためにソン・ジェギ氏は支援を訴えて麻浦大橋からの投身を実行。結果、水死体で発見されるという悲劇的な結末を迎えました。
投身の瞬間に同氏は一人ではなく、同連帯の会員のほか取材陣も呼んでいたため、今回の投身は当初パフォーマンスのつもりであったと見られています。取材陣は投身の前後に救助隊に通報したということでしたが、長雨で水位が増した漢江では捜索、救出も困難を極め、結局、パフォーマンスではなく本当の投身自殺となってしまいました。しかし一方で、同氏が後継者を指名していたり、志を引き継いで欲しいとの遺志を残していたことから、最初から自殺するつもりだったのではないかという見方もあがっています。どちらにしても、同氏の行為だけでなく、その場に立ち会った会員や取材陣に対しても、なぜ止められなかったのかという非難が浴びせられています。
韓国では、このように、自身の考えを訴えるために自殺を図るという行為がたびたび見られます。独島の領有権を主張して除草剤を飲んだ男性、韓国沖原油流出事故の補償を求める集会中に焼身自殺を図った被害住民など、主張の内容はさまざまです。しかし、このことで遺志が遂げられるということはほとんどありません。このような行為では問題は解決しないという事を、いま一度、社会全体に訴えかける機会を持たなければならないのかもしれません。