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韓国のポピュラーな妖怪

#ソウル・暮らしのおと l 2025-08-08

金曜ステーション

ⓒ gettyimagesbank
真夏の夜には怪談話や肝試しをするのは、日本でも韓国でも共通なようです。
怪談、といえば定番のお化けや幽霊、妖怪がいますよね。日本でいえば、四谷怪談のお岩さん?のっぺらぼう、口裂け女…どんな妖怪が思い浮かびますか?
韓国でも、誰もが知っている定番の妖怪がいるんです。有名なところでいえば、トッケビや、九つの尻尾をもつクミホでしょうか。彼らはもうドラマの主役にもなっていますね。
そこで今日は、韓国の人なら一度は聞いたことのあるポピュラーな(?)妖怪たちを紹介します。

1.いつも靴を探しているはだしの妖怪「ヤグァングィ(夜光鬼)」
・姿かたちは、全身が光っていて、曲がった口、でろーんと飛び出した目をもつ、身長130センチくらいの妖怪です。
・旧暦の正月(ソルナル)を迎える夜、子どもたちの靴を盗んでしまう、いたずらっ子。
困ったことに、靴を盗まれた子どもはその年一年、悪い事ばかり起こると言われています。
・対処法は、正月の夜、玄関にザルを置いておくこと。夜光鬼は数字を数えるのが好きですが、じつは1つから4つまでしか数えることができません。靴を盗みにきた夜光鬼は、ザルを見ると穴の数を数えるのに夢中になってしまいます。そして太陽が昇る時間になるとあわてて靴を置いて 逃げだすという、ちょっと間抜けでにくめない妖怪ですね。

2.結婚できなかったのが怨念になった「モンダル幽霊」と「ソンガッシ」
・モンダル幽霊は、くぼんだ目と暗い陰気な顔を持つ若い男性。婚礼もあげられず若くして死んでしまった男性、または、恋の病を患って死んだ男性が恨みをもって幽霊になったもの。若い女性の寝床にあらわれて、結婚してくれと迫ったり脅したりするという…恐ろしいけどかなり迷惑な幽霊ですね。
・同じように、未婚のまま死んでしまった女性の幽霊は、処女幽霊またはソンガッシといいます。こちらは白装束に長い髪を振り乱した幽霊らしい幽霊。
ソンガッシは裏切られたり殺されたりした恨みを抱えていて、夢の中や目の前にしつこくあらわれて復讐します。
・なので対処法は、ソンガッシの場合は恨みをはらしてあげること。または棺(ひつぎ)の中に男性の人形を入れて寄り添ってあげること。モンダル幽霊は、恋焦がれた女性の着物を棺や墓の上にかけてあげることで、恨みが晴れて消える、と言われています。

3.80年代に子どもたちを震えあがらせた「香港ばあさん幽霊」
・姿たちは、体の半分がおばあさん、もう半分がなんと猫なんです!すさまじいジャンプ力とスピードをもつ妖怪。
・事の起こりは、あるおばあさんが、自分の飼い猫をつれて香港に旅行に行ったところ、飛行機が墜落。その事故で死んだおばあさんと猫が一体化して半人半猫の霊になったそう。この香港ばあさん幽霊が下校中の小学生を襲って殺してしまう、という都市伝説が80年代に大流行したそうです。
・捕まらないようにする対処法は、香港ばあさんに何か聞かれたら、答の最後にかならず「香港」をつけること。たとえば、「どこにいくんだい?」「うちに帰るんだよ香港!」といった具合に。そして、爪を決して見せないように手をグ―にしておくことだそうです。
・この香港ばあさん幽霊は本当に有名で、都市伝説ではナンバーワン。当時、子どもたちがあまりにも怖がるので、テレビのニュースでも取り上げられたくらいです。

今回紹介したのは、2022年に発刊された「K妖怪図鑑」という本を参考にしました。韓国の妖怪本は数多く出ていますが、この本は、ゆるキャラなイラストとマンガタッチの紹介のしかたがすごくユニーク。この作者は、特徴を分析して、MBTIという性格判断までつけているのがユーモラスでした。韓国の妖怪も個性豊かで身近な存在に感じられるのではないでしょうか。

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