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ライフスタイル

ことばシリーズ:「ペコッインサ」ってどんな挨拶?

#ソウル・暮らしのおと l 2025-08-22

金曜ステーション

ⓒ gettyimagesbank
韓国語の日常会話には、二つの単語を組み合わせて独特の意味で使われる表現がたくさんあります。今日はそのうち三つをご紹介します。
今回も「空耳ハングル」のソラくんとミミちゃんの登場です。二人のとんちんかんな会話から新しいことばを覚えてみましょう。
夏休み、ソラくんの家には遠くに住んでいるお姉さんとお兄さんの家族が遊びにきています。そこへ、ちょうどミミちゃんが遊びにきました。

●ペコッインサ(배꼽인사)=丁寧な挨拶
ソラ:ミミちゃん、ぼくの甥っこと姪っ子を紹介するよ。ほら、ミミちゃんイモにあいさつして。「ペコッインサ!」
ミミ:しっかりあいさつできてエライね。そうか、ペコっておじぎするからペコッインサっていうのね!
ソラ:いや、ちょっと違うんだけど……
ミミ:ところで、ソラくん!さっき私のこと「イモ=おばさん」って言ったよね? わたし、まだ「お姉さん」なんですけど!!
*****
ペコプ(배꼽)というのは「おへそ」、インサ(인사)は挨拶。ペコッインサとは、両手をおへそのあたりに当てて深くお辞儀をする丁寧なあいさつのこと。主に、子どもが大人に向かって丁寧な挨拶をするように教えるときに使う表現です。「はい、おへそに手を当てて~、ペコッインサ!」というように。
ところで、ミミちゃんは「イモ(おばさん)じゃなくてお姉さん」と怒っていましたが、韓国ではこういうとき、年齢よりも関係性で呼び方が選ぶことが多いです。甥っ子姪っ子にとって、ソラくんは「サムチョン(おじさん)」。その友達なので、ミミちゃんのことも「イモ」と呼ぶことになったんですね。イモは母方の叔母の呼び方ですが、血のつながりはなくても親しみをこめておばさんを呼ぶときは「イモ」と呼ぶことが多いのです。

●チャシクノンサ(자식농사)=子育て
ミミ:それにしても、ソラくん家にぎやかだね…いま一体何人いるの?
ソラ:姉さん家族がこども3人、兄さん家族が子ども4人だから…両親と僕まで合わせて14人。
ミミ:ええっ、すごい!
ソラ:まあ、姉さんも兄さんも「チャシクノンサ」 が一番大変だってぼやいているけどね。
ミミ:チャシクノンサって…こども・農業?ああ、お姉さんもお兄さんも農家さんなのね!
ソラ:いや、ミミちゃんまた勘違いしてるよ~
*****
チャシク(자식)は「(自分の)子ども」、ノンサ(농사)は農業・農作業のこと。これは「子育て」のことです。手塩にかけて子どもを育てることを、農作業に喩えているのですね。時間も労力もかかるけど、その分収穫=かえってくるものも大きい、ということでしょう。
ご存じのように韓国は超少子化が進んでいるので、ソラくんのお姉さんやお兄さんのように子どもが3人、4人といる家族は最近では珍しいんです。たしかにチャシクノンサは大変でしょうね。

●ヌンチゲーム(눈치게임)=顔色伺い、空気読み合い
ソラ:そろそろみんな帰りそうだな。さーて、ここからが「ヌンチゲーム」なんだよな~。
ミミ:なになに?その面白そうなゲーム、私も入れて!
ソラ:ゲームじゃなくて、いつ、だれから先に子どもたちにおこづかいを渡すか、空気を読み合ってるってこと。ミミちゃんも入るなら、おこづかいをあげなきゃならなくなるけど、いいの?
ミミ:えっ?あ、ああ…… 私、一足お先に失礼しまーす!
*****
ヌンチ(눈치)というのは、機転とか勘、目端のこと。「ヌンチゲーム」というのは、様子見とか顔色を伺い合う状況のことを言います。日常生活のなかでのヌンチゲームといえば、たとえば、退勤時間になったとき、だれが最初に「お先に失礼します」といって立ち上がるか、ヌンチゲームをしている=空気を読み合っている、なんていう場合に使います。
ここでは、ソラ君はおこづかいをあげるタイミングを計ってヌンチゲームをしているようですね。たしかに、最初に渡すのは気まずいし、最後に渡して金額が少なくてがっかりされても気まずいので、甥っ子姪っ子へのおこづかいって、気を使いますよね。

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