ⓒ gettyimagesbank秋は果物が美味しい季節ですね。きょうは、韓国で最近人気の秋の果物を使ったデザートと、おすすめのデザートカフェをご紹介します。
●栗:ボニバムのデザート
まず、秋と言えばまっさきに思い浮かぶのが栗。韓国では、皮をきれいに剥いた剥き栗がよく売られていて、いろんな料理にもよく使われます。なかでもおいしい栗のデザートは「ボニバム(보늬밤)」。ボニというのは栗の中身の渋皮のこと。これを薄く残してじっくり甘く煮込んだ、いわゆるマロングラッセのようなものがボニバムです。このボニバムを使ったスイーツが最近たくさん出ています。
ボニバムをメインにしたデザートで有名なカフェを一つご紹介しましょう。梨泰院にある「Moon Landing(ムーンランディング)」。ここは季節ごとの果物を使ったオリジナルのスイーツが有名です。秋にぜひ食べたいのが、ボニバムパフェとボニバムブレッドプディングです。パフェは、ジェラード、マロンクリーム、メレンゲなどを重ねた上に大きなボニバムがゴロンと乗っていて、食べ応えたっぷりです。
●柿:ホンシのデザート
次に、秋の果物の代表格といえば柿。韓国の人は本当に柿が大好きなんだなあと思うくらい、食後のデザートとして柿が欠かせません。なかでも韓国ならではの味わいは、ホンシという完熟の柿です。中身がゼリーのようにとろっとしていて、よく冷やしてスプーンですくって食べてるとやさしい甘さが口いっぱいに広がります。日本ではあまり食べないかもしれませんが、一度この完熟のホンシを味わうとやみつきになってしまいます。
そのまま食べてももちろん美味しいのですが、このホンシを使ったデザートをそろえている専門のカフェがあります。ソウルから少し離れた全州のカフェ「紅柿宮(ホンシグン)」です。歴史の町・全州らしく、カフェも伝統家屋の韓屋風。なんとここは、ホンシのかき氷(ピンス)からはじまり、ホンシクリームタルト、ホンシジュース、ホンシラテまで、まさにホンシ尽くし。なかでもこのホンシピンスは、少し凍らせた完熟の柿がたっぷり乗っていて、シャリシャリした食感と口のなかでとろける甘みが絶品です。そしてお持ち帰りで人気なのがホンシ大福。やわらかいお餅とあんこ、とろとろのホンシの組み合わせ。想像しただけで間違いなく美味しそう。
●イチジクのデザート
三つ目の秋の果物は、イチジク。最近は町中の果物屋さんでもイチジクがよく売られるようになっただけでなく、イチジクを使ったスイーツも流行中なんです。イチジクをたっぷり盛りつけたケーキやタルトなどが人気。断面がお花のようなので、写真映えするかわいらしいスイーツが多いんです。
イチジクのスイーツを売りにしたデザートカフェはたくさんありますが、ぜひ訪れてみたいのが、明洞にある「The Spot Fabulous(ザ・スポット・ファビュラス)」は、中国大使館の真向かいにある有名なカフェ。洋館風の建物は1950年代に建てられたもので、旧台湾大使館が位置していた歴史的な場所なんです。明洞の真ん中とは思えないアンティークな雰囲気が漂います。ここのデザートのなかでも、イチジクのティラミスがおすすめ。コーヒーのしみ込んだスポンジの上に、マスカルポーネチーズのクリームと生のイチジク、ピスタチオが乗っています。イチジクとチーズってすごく合うんですよね。甘すぎずさっぱりした味わい。明洞の賑わいから少し離れ、シックな雰囲気のカフェでお茶をするのにぴったりなデザートです。