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ライフスタイル

天才ハッカー少年

2014-04-09

玄海灘に立つ虹

天才ハッカー少年
今月2日から3日までの2日間、ソウルのCOEX でCODEGATE2014(コードゲイト)という国際ハッキング大会が開かれました。これは情報保護専門人材の発掘と育成を目的とする行事で、今年で7回目を迎えています。

今年は歴代最大規模の全世界74カ国から1200チーム、2968人が参加してハッキング防御のための腕を競い合いました。
チーム競争で行われる本選は延々20時間にわたり行われ、1位はアメリカチーム、2位ロシア、3位がポーランドのチームでした。

今回の大会の開会式で未来創造科学部の次官は
「サイバー空間でのハッキング事故はハッカーとの間の永遠のレースのようなものであり、情報保護人材の養成がそのレースの中心にあると言えます。今回の大会で優れた人材を発掘し情報保護産業発展に寄与することを願っています。」

と挨拶し、この大会の意味を強調していました。
会場にはいわば世界各国から凄腕のハッカーが集まったわけですが、スウェーデンから参加した3人組の若者たちは胸に「hacking for soju」(焼酎さえくれればハッキングしますよ)と書かれたTシャツを着ていました。この男性は

「今年でこの大会に5回目の出場となります。韓国にたびたびやって来て焼酎を飲み、今ではすっかり焼酎のファンになりました。それでこんなチーム名をつけました。世界の指折りのハッカーが集まる貴重な大会です。」

と語っていました。
一方、今大会からはジュニア部門が初めて設けられ大きな関心を集めました。
ジュニア部門は7時間以内に与えられた問題を解いて最も高い点数をとった人が優勝する方式でした。配点が最も高かった問題は、仮想の通信網システムを提示し、これを攻撃して加入者情報を引き出すというものでした。これは最近実際に起きた移動通信会社の個人情報流出事件を再構成したものです。

そして個人レースで行われたジュニア部門では1,2位を韓国の高校生が、そして3位をロシアの高校生が占めました。ジュニア部門1位のイム・ジョンウォン君は合計点数1300点という圧倒的な点差で優勝した、天才ハッカー少年です。

彼は高校生ですが、すでにセキュリティ業界では有名人でこれまでに6つのハッキング防御大会で優勝しています。韓国情報技術研究院が今年3月に選定した「国宝級セキュリティ人材」の10人の中にも含まれているといいます。イム君はインタビューで

「小学生のとき、偶然『カウンターハッキング』という本を読んで関心を持ち始めました。その後、C言語関連の書籍を購入して独力でハッキングを覚えました。
現在はソウルソンリン・インターネット高校に通っています。毎日7、8時間ずつハッキングを研究していた時は、時間のたつのも忘れたものですが、なぜか修学能力試験の勉強をしていると眠くなってなかなか集中できません」


と現在高校3年生のイム君は語っていました。また今回ジュニア部門に出場した高校生たちは皆、こんな感想を語っていました。

「隣に座っていた日本人の参加者と話をしました。外国人の参加者たちとハッキングに対する知識を共有できる良い機会でした。」
「外国人の参加者たちとフェイスブックで友達になりました。これからも連絡をとりあっていくつもりです」


韓国は世界的なIT強国です。でもそれだけにハッキングには脆弱な側面もあり、放送局、金融機関、政府機関へのハッキングのニュースは後をたちません。そういうハッキングに立ち向かうには、ハッカーから情報を守る人材の育成が欠かせないということで始まったのが、今日ご紹介した CODEGATE2014(コードゲイト)です。

今回から始まったジュニア部門に出場した高校生たち、彼らは会場で出会った世界各国からやってきた人々と友人になり、情報を交換しようとしています。一方、韓国の新聞はそんな彼らに対して「ハッキングを研究している時は眠くならないのに、受験勉強は大変で、成績は上がらない」などという記事を書いています。あくまでも既存の入試の概念で彼らを捉えようとする大人たちと、すでに世界を見据えている少年たち。天才ハッカー少年が、ハッカー防御の専門家になることを心から願いたいと思います。敵に回したら本当に怖い少年たちです。

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