K-POPの始まりと第1世代アイドル
1992年にデビューした3人組のヒップホップグループ、「ソ・テジワ アイドゥル、ソテジと仲間たち」の登場はK-POPの基盤を作ったと評価されるほど大きな意味を持っている。ソ・テジは、「文化大統領」と呼ばれるほど当時の韓国の青少年に大きな影響を及ぼした。ヒップホップ、ロック、ダンスミュージックなど多様なジャンルが融合した新しい音楽を披露し、韓国の大衆音楽に大きな変化をもたらした。その後、1990年代半ば、第1世代アイドルといわれるH.O.T.とジェクスキスが登場、主に国内で活動し、2000年代に入ると、ボア、東方神起、ワンダーガールズなど第2世代アイドルが韓国だけではなく、日本、中国、東南アジアでも人気を集め、海外でもK-POPが知られるようになった。
ソ・テジワ アイドゥル、H.O.T、ジェクスキス、東方神起、ボア
サイと「江南(カンナム)スタイル」
韓国の歌手、サイが公開した曲「江南(カンナム)スタイル」(2012)は一般的に知られるK-POPには当てはまらないが、動画共有サイト「ユーチューブ」を通じて空前のヒットを記録し、K-POPを世界中に知らせる役割を果たした。「江南スタイル」が発表された2012年以降、アメリカでK-POPに対する関心が一気に高まり、K-POPに関する研究と報道が本格的に始まった。
サイ「江南(カンナム)スタイル」
世界的に流行したサイ「江南スタイル」の振り付け
ⓒ KBS
BTSの登場とK-POPの跳躍
2013年6月にリリースした「ノー・モア・ドリーム」でデビューしたBTSは、若者の悩み、夢について語りかけ、世界の若者の共感を呼ぶ曲を発表していった。そして、2017年、ビルボード・ミュージック・アワードで「トップ・ソーシャル・アーティスト」賞を受賞し、2020年、BTSの「ダイナマイト」がK-POP史上初めてアメリカのビルボード「ホット100」シングルチャートで1位を獲得した。BTSの歌にはストーリー、シリーズがあって、そのメッセージが世界の若者の心を動かしたのだ。彼らが伝えるメッセージは国連での演説、社会キャンペーン、ファンの活動へつながり、音楽を越えて社会的に大きな影響を及ぼすようになった。
防弾少年団(BTS)
ⓒ KBS
「未来の世代と文化のための大統領特別使節」に
任命された防弾少年団(BTS)、2021
ⓒ KBS
国連を背景に繰り広げられたBTSの「パーミッション・トゥ・ダンス」
(Permission to Dance)」の舞台、2021
ⓒ KBS
BTSのグループ活動再開と今後のK-POP
BTSが兵役を果たすため、グループ活動を中断していた間もK-POPスターの活動は続いた。2026グラミー賞にノミネートされたブラックピンクのロゼなど第4世代、第5世代のK-POPスターが世界の舞台で活躍した。そして、メンバー7人全員が兵役を終えたBTSもグループ活動の再開を控えている。K-POPを世界音楽市場の主流に押し上げたBTS、そしてその跡を継ぐK-POPスターの今後の活動はK-POPの持続的な成長と拡張に大きな役割を果たしていくことだろう。
ロゼ「APT.」