ソウルの繁華街、リスナーの皆さんの中にも行ったことのある方がいると思いますが、地下鉄2号線の江南駅、そしてその上を走る江南大路。この江南大路にはたくさんのショップと飲食店が並んでおり、いつも大勢の若者たちでにぎわっています。
この江南大路、東と西では大きな違いがあります。それは東側は100m間隔でゴミ箱が設置されていますが、西側には一つもゴミ箱はありません。どうしてかと言うと、管轄の区が違うからです。東は江南区、そして西は瑞草区の管轄です。
瑞草区は2012年に大きな道路上に設置されていたゴミ箱140個をすべて無くしてしまいました。どうしてでしょう。瑞草区役所の関係者は
ゴミ箱の中に生ゴミはもちろん赤ん坊の紙おむつまで捨てていく人がおり、その処理にかかる費用も大変でした。これはゴミの従量制という制度自体を無視したものです。それでゴミ箱を無くしました。今、瑞草区は道にゴミ箱が無いので、そういう生ゴミなどの無断投棄は無くなったと思います。
と言っています。一方で江南区には934個のゴミ箱が路上に設置されています。流動人口が100万人に達する江南大路では一日に二度、ゴミ箱の回収が行われています。江南区役所の関係者は
ゴミ箱がないと花壇や道路にそのままゴミを捨てていくので、道路も汚くなるので住民のために設置しています。
では実際にこの報道をした記者が今月2日、江南区側のゴミ箱の中味を見たところ、ゴミの80%が近くの語学学校や食堂が配ったビラや名刺だったということです。ある大学生は
地下鉄の駅を降りて語学学校まで歩いていく間に少なくてもビラを3回はもらいます。ゴミ箱がないと思わず道端に捨ててしまいます。
と言っていました。ソウルの街頭からゴミ箱が消え始めたのはゴミの従量制度が始まった1995年からです。自治体は生ゴミなどの無断投棄を防ぐために道端のゴミ箱を減らし始めます。1995年以前には7600個に達したソウル市内のゴミ箱は2000年には3200個にまで減りましたが、最近ではまた増えて現在はソウル全体で5094個のゴミ箱が路上に設置されています。瑞草区を除いたソウル市の24の区の街頭のゴミ箱の数の平均は197個です。明洞のある中区の関係者は
最近、市民の苦情が増えていることからゴミが急増している地域を中心にゴミ箱を設置しています。但し、生活ゴミ、生ゴミの無断投棄の恐れがある小型の商店や住宅街などの地域には設置していません。
私はこの瑞草区の住民ですし、江南大路もよく行きますが、この記事がでるまで江南区と瑞草区ではゴミ箱の有る無しに違いがあるとは全然気づきませんでした。江南駅や明洞のような繁華街にはやはりゴミ箱はあって欲しいとは思いますが、正直、道にゴミ箱のない瑞草区に住んでいてもあまり不便は感じません。地下鉄の駅にも、そして漢江市民公園にもゴミ箱があるので散歩のときにも、街を歩いていても平気です。ゴミをポイ捨てするという市民意識自体があやまっているのは確かですが、さて皆さんは街頭のゴミ箱あるべきだと思われますか? それとも無くしてもかまわないと思われますか?