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論点

ヤコブ病の感染で初の死亡例

2011-12-04

ニュース

ヤコブ病の感染で初の死亡例
韓国で、クロイツフェルト・ヤコブ病に感染して死亡した例が初めて確認されました。
クロイツフェルト・ヤコブ病は、遺伝子のプリオン蛋白が異常化して脳の中に侵入し、脳の組織に海綿状の穴を作って、機能障害を引き起こす病気です。
発症すると進行が速く、ほとんどの場合、1~2年で死亡します。
クロイツフェルト・ヤコブ病は、原因や症状などによって、散発性、遺伝性、変異性、医原性に分類されます。
散発性は発症の原因が不明で、100万人に1人の割合で発症するとされており、主に50歳以上の高齢者で多く発症します。
遺伝性は、遺伝子の変異による異常プリオンによって引き起こされます。
変異性は、いわゆる狂牛病にかかった牛の内臓などを食べて、牛海綿状脳症が人間に感染したものと推測されています。
医原性は、異常プリオンに汚染された医療器具を使用したり、組織の移植など、医療行為が原因で感染したものを指します。
このほどクロイツフェルト・ヤコブ病に感染して死亡したのは54歳の女性で、感覚障害や運動障害などの症状を伴い、7月に死亡しました。
保健当局が調査したところ、この女性は1987年に脳腫瘍の手術を受けましたが、その際に汚染された硬膜を移植されたのが原因だということです。
つまり、この女性の場合は医原性のクロイツフェルト・ヤコブ病で、狂牛病にかかった牛の内臓などを食べて感染すると推測されている変異型ではありません。
この女性は、ドイツのビー・ブラウン社が製造したヒト乾燥硬膜を移植しましたが、ビー・ブラウン社が製造した硬膜を移植した多くの患者がクロイツフェルト・ヤコブ病に感染した例が日本を含めて世界的に報告されています。
保健当局は、この女性の他にもビー・ブラウン社が製造した硬膜を移植したケースが多いと見て、この女性が手術を受けた1987年を前後した時期に同じような手術を受けた患者を対象に調査を進めることにしています。

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