サムスングループ李健熙会長の長女李富真さんが、夫であるイム・ウジェ サムスン電機副社長に対して離婚訴訟を提起しました。結婚から15年目の夫婦に何があったのか、人々の関心が寄せられています。
李富真さんとイム・ウジェさんは1999年に結婚しましたが、当時二人の格差婚が世間を賑わせました。李富真さんは95年にサムスン福祉財団に入社。一方のイム・ウジェさんも同じ年にサムスン物産に入社しました。二人は李富真さんのグループ会社の同期入社社員としてボランティア活動で出会い、交際を開始。4年のつきあいを経て、99年に結婚しました。結婚にいたるまでは李健熙会長をはじめ親族の反対が激しかったものの、李富真さんが誠心誠意説得して回って、結婚に至ったと伝えられています。この逸話はお姫様と平社員の逆シンデレラストーリーということで、「世紀のロマンス」として韓国じゅうの注目を集めました。このように、財閥家の子息子女が相手の家柄関係なく恋愛結婚するというのは、あまり例がありません。李富真さんの兄弟だけを見ても、兄の在鎔さんの元妻は大象食品会長令嬢、妹のソヒョンさんの夫は東亜日報会長子息です(三女は一般男性との結婚を反対され、自殺)。ほかの大財閥一家の配偶者も、大企業オーナー、研究職(教授)、高級官僚の子息子女というの一般的なパターンです。
これまで、周囲の反対を押し切ってゴールインした李富真さんとイム・ウジェさんに対しては、財閥に対する一般的な視線とは違い、珍しく世間から温かい目で見守られてきました。しかし、二人が「性格の不一致」を理由に離婚することがほぼ決定的となり、残念だという声が多く上がっています。また、財閥家の離婚とその後についても関心が寄せられています。サムスン本家だと、09年に在鎔さんが大象常務のイム・セリョンさんと離婚。また、傍流だと、鄭溶鎭新世界グループ副会長が女優のコ・ヒョンジョンさんと離婚しました。イムさんにしてもコさんにしても、実家の財力があったり、キャリアがあったりと、離婚後も輝かしい人生を歩んでいますが、イム・ウジェさんの実家は零細の自営業。現在サムスン電機副社長であるものの、離婚後は退職しなければならないのではないかとの見方が強まっています。
また、李富真さんは、訴訟の際、同時に息子の親権を定めるための申請も行いました。このことと財産分割についてはほぼ両者合意していると伝えられています。世紀のロマンスから15年目で迎えた破局劇ですが、今後どのように手続きが進んでいくのか、韓国じゅうの注目が集まっています。