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ライフスタイル

図書定価制

2014-11-25

玄海灘に立つ虹

図書定価制
今月21日から「改正 図書定価制」がスタートし、その前日はインターネット書店に駆け込み購入の利用者が殺到しました。
図書定価制とは、日本の書籍に関する再販売価格維持制度のようなもので、本に対する定価を設定し、販売側は定価での販売を原則とするというものです。韓国では1980年に書籍が定価制となりましたが、その後、2001年からインターネット販売は定価制を維持しなくてもよいことを決定。このことで小型書店が打撃を受けたため、▼オフラインの書店でも発行から1年以上経過した書籍は定価制から除外▼インターネット販売の割引率を最大10%とする――との条件をつけて小型書店を保護するようにしました。しかし、それからまた徐々に定価制から除外される対象範囲や割引率が広がり、小型書店はどんどん追い込まれていくようになりました。03年に全国で3,590店あった書店の数は、13年には2,331店と、10年で3分の2に減っています。
これらの状況をうけて、文化体育観光部は今国会で小型書店の保護を目的とした図書定価制改正案を成立させました。しかし、同制度に対しては問題点も多く挙げられています。まず、新刊の価格を同一にしたところで本当に小型書店の保護につながるのかという点。ネット販売を導入する大型書店では、販売書籍に対する割引のみならずポイント制の実施や景品の提供などさまざまなサービスを展開しているため、さして効果がないのではないかというのが大方の見方です。同時に、大型スーパーの営業時間を制限したり、携帯電話の端末価格を同一にしたりという最近の流れと合わせて、政府が過剰に市場経済をコントロールしようとしているという批判を浴びています。また、政府は、定価制に関してコンテンツ保護も目的としていますが、最近では文化コンテンツがインターネットで展開されることが多くなり(ウェブトゥーンなど)政府の見解がまったく見当違いであるとの指摘も出ています。
現在、経済協力開発機構(OECD)加盟国・地域の約半分(日本、フランス、ドイツなど)が書籍の定価制を実施し、残りの半分(アメリカ、イギリスなど)はオープン価格で販売されています。それにより、定価制がある国ではさまざまな規模の書店が共存し、定価制のない国では大型書店と大型出版社が育つというパターンが定着化しています。韓国もその前者に倣うということで定価制を実施しましたが、今回のように大雑把な規定を敷くよりも、もっと韓国の現状に合った対策が求められているのが現実でしょう。

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