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論点

戦時作戦統制権移管の再延期で一致

2013-10-06

ニュース

戦時作戦統制権移管の再延期で一致
韓国の金寛鎮国防部長官とアメリカのヘーゲル国防長官は2日、ソウルで定例安保協議を開き、韓半島有事の際の戦時作戦統制権を韓国軍に移管する問題について、実務レベルで引き続き協議を続けていくことになりました。
また、北韓の核や大量破壊兵器による攻撃を事前に探知し、先制措置を取る「状況に応じた抑止戦略」についても一致しました。
この抑止戦略は、北韓の核兵器使用の兆候を事前に探知し、「脅威」、「使用間近」、「使用」の3段階に分けて対応するもので、「使用間近」の段階では、韓米両軍が戦力を総動員して阻止するとしています。
戦時作戦統制権は、有事の際に部隊の作戦を指揮する権限のことで、韓国は韓国戦争最中の1950年、当時のマッカーサー国連軍司令官に軍の作戦指揮権を委譲し、有事の際の韓国軍の指揮権はこれまでアメリカ軍に委ねられてきています。
韓国とアメリカは2007年2月の韓米国防相会談で、アメリカ軍に委譲された戦時作戦統制権を2012年4月に韓国軍に移管することで合意しました。
当時の盧武鉉政権は自主国防の必要性を訴え、ブッシュ政権は国防費の増大に悩んでいた時期でした。
その後、北韓の脅威が高まる中で、李明博前政権の要望などで、2010年の韓米首脳会談で移管時期は2015年末に延期されていました。
朴槿恵政権になってからは、韓国政府がアメリカに対して移管時期の再延期を求めていました。
北韓が長距離ロケットを発射し、核実験を繰り返すなど、韓半島の安全保障状況が大きく変わったためです。
韓国軍は、情報・監視・偵察、また、指揮統制の分野で、北韓の脅威に対応できる十分な戦力を確保していないのが実情で、この分野でのアメリカ軍の支援が必要です。
こうした状況で戦時作戦統制権が韓国軍に移管されれば、有事の際に様々な問題が生じる可能性があります。
アメリカはこれまで国防費増大などを理由に移管時期の再延期に難色を示していましたが、結局は再延期の必要性に理解を示し、再延期する方向でさらに協議を続けることにしたものです。
金寛鎮国防長官は会談後の記者会見で、「両国は北韓の核とミサイルの脅威が深刻になっていることに注目している。戦時作戦統制権の移管時期について継続して協議していくことにした」と語りました。
また、ヘーゲル国防長官は、「韓国側が提起した問題を深刻に受け止めている。移管時期については今後とも協議を続けていきたい」と語りました。
これで戦時作戦統制権の移管時期についてはさらに協議が続くことになります。
韓国国防部の関係者は、戦時作戦統制権の具体的な移管時期について、韓国軍が北韓の核とミサイルの脅威に対応できる準備が整うかどうかが鍵になるとしています。
韓国軍は北韓の核とミサイルの脅威に対応するための韓国型ミサイル防御体制の構築を進めています。
戦時作戦統制権の移管は、その体制が十分に整ったあとになるということです。
韓国軍は2020年までに韓国型ミサイル防御体制の構築を終えたいとしていますが、 予算次第では、その時期を早めることも可能だとみられています。

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